<中年期日本人のBMIや体重変化と認知症発症リスク>
"中年期のBMIや体重変化と認知症発症リスクとの性別特異的相関性に関するエビデンスは、とくにアジア人集団において不足している。高知大学の田代 末和氏らは、40~59歳の日本人を対象にBMIや体重変化と認知症発症リスクとの関連を調査した。その結果、中年期の肥満は認知症発症のリスク因子であり、中年後期の体重減少は体重増加よりも、そのリスクを高める可能性があることを報告した。Alzheimer's & Dementia(Amsterdam、Netherlands)誌2023年11月23日号の報告。"
40~59歳の日本人3万7,414人を対象に10年フォローアップ調査した結果、ベースライン後に体重が減少すると体重増加よりも認知症リスクが高くなり、これらの関係に性差は認められなかった、という結果の報告でした。
一方で、こんな報告も数ヶ月前にありました。
<日本人のBMIと認知症リスク、男女間で異なる>
"BMIと認知症リスクとの関連は、年齢によりばらつきがあり、性別の影響を受ける可能性がある。新潟大学のAlena Zakharova氏らは、地域在住の日本人を対象に、BMIと認知症リスクとの関連に対する性別の影響を明らかにするため、コホート研究を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌2023年8月1日号の報告。"
40~74歳の日本人1万3,802人を対象に8年フォローアップ調査した結果、男性ではBMIが高いほど認知症リスクが低かったが、女性ではBMIと認知症リスクとの間にU字型の関連が認められたというもの。つまり「過体重や肥満は、女性のみで認知症リスクを上昇させる可能性があり、肥満の性差が認知症リスクと関連していることが示唆された」となっています。
男女とも歳とってからやせると認知症になりやすいということはわかったのですが、女性は「太っても認知症になりやすい」というこの見解が同じ日本人の研究なのに違っている。これは困ったものです。まあ、だからといって極端に太っていっても得はないのかもしれませんが。
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