フレイルの予防
<フレイル、「やせが多い」「タンパク質摂取が重要」は誤解?>
"2024年1月26日(腸内フローラの日)に、青森県りんご対策協議会が「いま注目の“健康・長寿”における食と腸内細菌の役割 腸内細菌叢におけるりんごの生体調節機能に関する研究報告」と題したイベントを開催した。そのなかで、内藤 裕二氏(京都府立医科大学大学院 医学研究科 教授)が「京丹後長寿研究から見えてきたフレイルの現状~食と腸内細菌の役割~」をテーマに、日本有数の長寿地域とされる京丹後市で実施している京丹後長寿コホート研究から得られた最新知見を紹介した。"(Care Net 2024/02/08配信)
フレイルのリスク因子は「代謝」(糖尿病や高血圧症、がんの既往歴、肥満など)、「睡眠」(睡眠時間ではなく睡眠の質)、「運動」(日常的な身体活動度の低さ)、「環境」(食事、薬剤、居住地など)の4つが重要なのだそうです。「京丹後市のフレイルの人にはやせている人はほとんどいなかった」・・・フレイルのリスクは『やせ』ではなく『肥満』だ というのは、なかなか興味深い話でした。また、フレイルと非フレイルを比較した結果では、フレイル群はカリウムやマグネシウム、ビタミンB群、食物繊維の摂取が少なく、食物繊維を多く含む食品の中で非緑黄色野菜や豆類の摂取が少なかったそうです。
”「りんごにはペクチンが多く含まれており、フレイル群で不足していたカリウムやマグネシウムも多く含まれているので、フレイル予防に役立つのではないか」”
”高齢者の高タンパク質食は、サルコペニアの発症予防にならないどころか発症のリスクとなっているという報告もあり、単純にタンパク質を多く摂取すればよいわけではない”
など、示唆に富む結果が示されていました。「世界保健機関(WHO)の基準では、10歳以上の男女は天然由来の食物繊維を25g/日摂取することが推奨されている」のに対して、「現在の日本人の食事摂取基準では成人男性(18~64歳)は21g/日以上、15~64歳の女性は18g/日以上が摂取目標値」・・・つまり”「日本が世界基準に遅れをとっていることを認識してほしい」”ということも留意すべきなのでしょう。
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