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うしろの正面

私は散歩が好きです。愛犬の散歩だけでなく、休日の朝などには独りで家の近くを小一時間歩くこともよくあります。わが家の近くにある江津湖の湖上には水鳥たちが泳ぎ、湖畔に植えられている季節の花々を愛でることができます。地元のボート部の若者たちが何艘ものボートを滑らせている光景も見えます。先日、そんな湖畔の長閑な散歩コースを、思い立っていつもと反対向きに歩いてみました。ただただ単純に湖畔一周をまったく反対向きに。いつも左側に見える湖面を右側に眺めながらの一周。ところが、ただそれだけのことなのに目の前に見える光景がまったくいつもと違う別のものに見えて面食らいました。「こんなところ、本当に今まで歩いていたっけ?」という戸惑いの中で新鮮な感動を経験しました。

『後ろを振り返る』ということは人生においてとても大事なことです。「あれをしなければならない」「こうすべきだ」と一心不乱にまっすぐ前を向いてひたすらがんばっていると、自分の前に伸びる道は遙か向こうまで果てしない細い一本の筋に見えるかもしれないけれど、自分の後ろにできた足跡は決して一本の筋だけではなく、自分を頂点にして末広がりに広がった風景の中にあることに気づきます。知らないうちにこんなにたくさんの経験をしてきた結果として今があるのだと気づくでしょう。前だけ向いていたら見えなかったものが自分の後ろには想像以上にたくさん隠れていたことに驚くはずで、これに気づかないのは人生の半分を捨てているようなもの。日々がんばっている方ほど、時には自分のやって来たことをちょっと振り返ってみてください。絶対に新しい発見があると思います。

などと、ありがちなアドバイスをしたことは何度もあるのですが、ただ、理屈では分かっていても余裕のない日々の中で立ち止まって『後ろを振り返る』というのはなかなかできるものではありません。振り返って後ろを見るのは、わたしの様に過去に後悔してため息をつく時ばかりです。でも、今回、単に『反対向きに歩く』という気まぐれの行動だけで『後ろを振り返る』と同じことが見えてくるのだと実感できました。今度、このことを連載コラムに書いて皆さんに伝えようと思いました。ということで、原稿メモとしてここに記録。

 

 

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