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2024年4月

知覚過敏?

ほんの一ヶ月弱前くらいから、右側で食べ物を噛むとキリキリっという感じの軋む痛さが出るようになり、ちょっとモノを食べるのが憂鬱になりました。虫歯の浸みるような痛さでもなく、きっと入れ歯が合わないとこんな感じなのかな(入れ歯をしたことがないからわからないけど)と思いながら、そのままにしていました。3月中旬に定期検診に行ったばかりで「歯茎は年齢よりはるかに若い」と褒められたばかり、次の予約は7月なのです。「ちょっと気になる」と云って受診してもいいのだけれど、あそこはこれまでもそんな理由で受診すると原因究明するために必要以上に検査する印象があるから、あまり行きたくないのです。歯の病気はほったらかしていても絶対に良くならないというのは常識。そろそろ諦めて受診するしかないかなと思っていた矢先、気づけば先週辺りから何ともなくなりました。試しに固い物を何度も右の歯で噛みしめてみるけど、どうもない。「あれれ?」という感じ。結局何だったんだろう?と思いながらも、7月までは受診しなくてもいいだろう、と胸を撫で下ろしているところです。

一方、ちょうど一週間前に散髪に行きまして、そこから帰ってきた辺りから左の鼻の奥が異常に痛くなりました。皮膚には何もできていないし鼻血がでるわけでもないのだけれど、鼻の穴に少し小指を突っ込むと傷口を触ったようなそんな激しい痛み。「鼻毛の付け根に毛嚢炎でもできたんじゃないの?」と妻は云うけれど、外から鼻を強く掴んでもどうもない。尋常じゃない痛みだけれど中も見れないし、ティッシュを突っ込んでも痛くない、血も付かない。気味が悪い状態だったけれど、こっちは数日で何事もなかったように治ったから、やはり何かの傷が入ったのだと思うのが妥当でしょうか。何も触った記憶はないのだけれど。

こういうこと、治ったから良いと思っていいものなのか、何かの大きな病気の前触れとかと違うのだろうか・・・素人ではない立場なのに、何か心許ない状態なのであります。

 

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誕生日イベント

「先生、きのうが誕生日だったんですか?」
「そうよ」
「おめでとうございます」
「ありがとうございます。ところで、どうして知ったの?」
「同僚の●●さんが『先生は毎年誕生日の日は有休を取る』と教えてくれたから」

職場の事務スタッフのお嬢さんとの会話ですが、「それは間違いよ。そんなことしないもの。昨日は銀行手続きするのに昨日しか休みの枠がなかったから休んだだけ。いつも普通に働いているよ。去年なんか誕生日の日は産業医勤務だったし」と、きちんと否定しておきました。

そういえば、誕生日に誕生日イベントを家族ですることがいつの間にかなくなりました。誕生日前後の週末に誕生日の近い知人と一緒に何か食べに行くことはあるけれど、それもむかしはステーキ屋さんとか街中の寿司屋さんとか一流の和食屋さんとかでごちそうを食べたものですが、最近はいつも行きつけの居酒屋でいつも通りの食事というのが常になりました。特別なことは特にしません。最後に小さなケーキを買ってきて安物のワインとか開けたりしたのはいつのことだったか・・・熊本地震のあった2016年にやった記憶はあるけれど、あれも大災害の直後だったからこそ「無事を祝って」というニュアンスが大きかった気がします。

結婚記念日と妻の誕生日に花束を買って帰るわたしの習慣は今でも続けていますが、それ以外はまったく普通の、単にこっそり1つ歳を取る区切りの日でしかなくなりましたね。まあ、子どもや孫がいたら、違っていたのかもしれませんけれど。

 

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デジタルに追われる

アナログ脳の典型的昭和人間を自負していたわたしですが、世の中これだけデジタルに支配されているともはやデジタルと共存せずして生きていくのは難しいのでしょうか。

わたしが毎朝毎晩測定している血圧の値、ほんの半年前には150/90mmHg でも「ちょっと高めかな」などと悠長なことを思っていたのに、今使っているアプリなんか『目標値:125/75mmHg (未満)』で125でも75でも不合格になるので、合格するまで何度も意地になって測ってしまう今日この頃。125でも124でも一緒じゃない?と思うけれど、やっぱり合格点がほしい(何のご褒美ももらえないのに)。

枕元の目覚まし時計が鳴る。6:00の表示。「あと5分」とスヌーズ機能のスイッチを押してまた眠りにつく。再び目覚まし時計が鳴って、6:05の表示を確認して起き上がる。そんな毎日です。わたしの腕時計は長針と短針がある自動巻きのアナログ時計でどんなに時刻を合わせても数週間で少しずつ進んでくるので時間はいつもアバウトですが、目覚まし時計はデジタル表示で電波時計なので毎朝時刻のリセットがなされて正確極まりない。5:59:59と6:00:00は全く別物で6:00:00にならない限りビクともしません(これはアナログでも同じか!)

職場のタイムカード(出勤打刻)もデジタル管理だから、わたしの出勤時刻の打刻は7:59はセーフだが8:00はアウトらしい。帰りは16:30の表示になるのをじっと待つこともしばしばある。昔はいい加減でした。出勤も大体8時頃ならOKだし、退勤も大体16時半ごろならOKでした。1分遅刻したら1時間の時間休を申請しなければなりませんが、帰りが10分遅くなっても時間外申請は認めてはもらえない。なんとも理不尽な管理体制です。まあ、真面目に働けばいいだけどことではありますが、でもこんな小さな数字に自分の人生を管理されていると思うとなんか情けなくなってきます。

もう少しおおらかでもいいんじゃないのかな~と思いつつ、一方で時間に正確な日本の公共交通機関などはそのおかげで助かることが少なくないのは確かです。

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日経グッディ

先日、職場に配信される日経BPメールを読んでいたら、『日経Gooday(グッディ)』のページにたどり着きました。

 ドクター向けの有料コンテンツは別として、ここに並ぶ記事は無料で読めるみたいです。ちらっと覗いてみただけですが、まあまあ面白そうな内容だったので、紹介してみます。これがいつまで閲覧可能なのか知りませんが、しばらくは読めるんじゃないのかしら。

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『long COVID』?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が何となく落ちついて、『post COVID』とか『アフターコロナ』とか云っていた時期を経て、最近『long COVID』というコトバを時々目にするようになってきました。

『long COVID』というのは、「新型コロナウイルス患者数の発症から通常3ヵ月間以内にみられ、少なくとも2ヵ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの」とWHOで定義されているコトバなのだそうです。
新型コロナの後遺症とは

 ”コロナ後遺症は50種類以上の症状が報告されており、昨年(2023年)1月時点では世界中で少なくとも6,500万人がコロナ後遺症で苦しんでいると推定されている。”
”COVID-19発症から1年半たっても、約4人に1人になんらかの症状が残る

何しろ、最初から得体の知れない侵略者に冒された結果なので、まだまだ解明されていないことだらけ。後遺症と云っているけれど、そもそもそれが本当に後遺症なのかも判然とせず、「関係ない」とも「関係ある」とも決定できるエビデンスがない現状なのだから、何もかもが手探り状態だと云っても過言ではないのでしょう。当事者にとっては本当に辛いものと推測します(なにしろコロナ感染そのものも経験していないわたしは何もコメントできませんが)。研究が早く進んで、すべての人にとって『long COVID』というコトバが過去の遺物になってしまうことを祈るばかりです。

 

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なぜ夕方が良いの?

座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的

1日に座ったまま過ごす時間が長い人は、不健康になりやすく、肥満や糖尿病のリスクも上昇することが、米カリフォルニア大学による大規模な調査で明らかになった。1日の歩数を増やすと、座りっぱなしの時間が長すぎることによる健康への悪影響を軽減できることも示された。ウォーキングなどの運動を夕方に行っている人は、とくに肥満や2型糖尿病のある人は、健康上のベネフィットを得られやすいことも明らかになった。”(保健指導リソースガイド2024年04月16日配信)

「参加者の1日の歩数の中央値は6,222歩でした。1日に歩数をあと2,200歩増やすことで、心血管疾患や死亡のリスクを大幅に減らせることが分かりました」
「座ったままで仕事や家事などをしているときは、それを中断して立ち上がって歩いてみる、少し空いた時間ができたら、職場や家の周りを歩いてみるといった行動でも、効果を期待できます」

など、まあ想定範囲内の結果が出ていますので読んでみてほしいと思いますが、その中で、『ウォーキングなどの活発な運動を夕方に行っている人は、死亡リスクが61%ともっとも多く低下し、午後に行っている人も40%低下、朝に運動をしている人の死亡リスク33%低下より明らかに有意だった』という結果が気になりました。そのメカニズムがよく分からないものの、それは有効なエビデンスと云えると考えておきましょう。

まさしくそれ、わたしの日常行動です。
 

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要するに犯人は酒?

「魚と酒」は「肉中心」より高血圧になりやすい!?~日本人男性

食事パターンと高血圧発症の関連を検討した日本人男性における前向きコホート研究で、「魚介類とアルコール」より「肉類中心」や「乳製品/野菜中心」のほうが高血圧リスクが低かったことを、東北大学/中国・Heze UniversityのLongfei Li氏らが報告した。本研究では食事パターンの特定に、食物摂取頻度・食事行動・調理方法を考慮した「教師なし機械学習法」を用いている。European Journal of Nutrition誌オンライン版2024年2月25日号に掲載。” (CareNet2024/04/17配信)

2008年8月~2010年8月に仙台卸商研究に登録された仙台卸商センターに勤務する日本人男性を対象に「低タンパク質・低食物繊維・高糖類」「乳製品/野菜中心」「肉類中心」「魚介類とアルコール」の4パターンに特定して検討したら、「魚介類とアルコール」と比較して「乳製品/野菜中心」と「肉類中心」で高血圧リスクが低かったから、”「本研究の方法は、食物摂取頻度・食事行動・調理方法を考慮した複雑な食事パターンに対する知見を提供できることから、従来の統計学的方法や主成分分析法(PCA)では見過ごされがちな隠れたパターンを明らかにするのに有用」”といっている、ということでいいのかした。

なんか、この見出し読むと、まるで「『肉より魚の方が高血圧症になりにくい』という結果が日本人男性の検討で明らかになった!」という風に感じてしまいます。「肉類中心+酒」とか「乳製品/野菜中心+酒」ではないのですから、これは要するに「晩酌に酒飲むのは高血圧症に良くないよ」と云いたいだけなんじゃないのかしら、ねえ。
 

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『階段』

定期の機関誌コラムの発行の日を迎えました。今回は、かなり前に書いておいたやつ。もともとは辛辣な書き方をしておいたけど、公の文章にするためにかなり修正を加えて、当たり障りのない表現にしてみました。まあそれでも、コレを読んで「わたしのことかな」と思う人は多いのかも?(笑)

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『階段』

 私がエレベーターに乗らないことは職場スタッフに周知されてきたので、最近はわざわざ私のためにエレベーターを閉じずに待ってくれる人はいなくなりました。エレベーター待ちをしている横を通りすぎて階段に向かっている私を見てバツが悪そうにされることはたまにありますが。

 思えば、2011年の東日本大震災の折、日本中が電力不足になってあちこちの電灯が消され、暗いコンビニや暗い空港ロビーがその象徴となった時期がありました。「省エネのためにエレベーターに乗らずに階段を使いましょう」という合言葉で、うちの職場でも管理者が率先して階段を上がり下がりしました。「かえって健康を手に入れられるからラッキーだ! 発想の転換でピンチをチャンスに変えましょう!」と職場を挙げて宣言したじゃありませんか。それなのに、エネルギー事情が回復するやいなや、かつて率先して歩いていた管理者クラスの方がむしろいち早くエレベーターを利用するようになったりしなかったでしょうか? 若い世代がすぐ横にある階段を尻目にエレベーターを待つのはまだわかります。彼らは生まれた時からそこにエレベーターがあった人たち。「使うべき物があるのにどうしてわざわざ無駄な労力を費やす必要があるの?」と考えるのは当たり前かもしれません。でも、『健康維持のために階段を使いましょう』という大きなパネルの横でエレベーターの扉が開くのをじっと待っている老若男女の姿を見るのは正直なところちょっと残念ではあります。そういえば、新型コロナウイルスがまだ殺人ウイルスだった数年前、東日本大震災の時と違ってエレベーターには皆さん乗っていましたよね。満員なら一機遅らせてでも意地でも乗っている様子を傍から見たような記憶があります。行動変容というのはなかなか難しいものだなとつくづく思いました。

 ちなみに、平地を歩く時に使う筋肉と、走ったり階段や坂道を上り下りしたりする時に使う筋肉はまったく違います。特に大腿四頭筋や大殿筋、腸腰筋などは、ウォーキングを毎日していても平地歩行だけではほとんど使われず、歳とともに退化しやすい筋肉群の代表です。足が上がらずに蹴つまずきやすくなるのもそのためだとか。せっかく健康のために歩く習慣にしているのであれば、是非その毎日の散歩コースに無理しない程度の階段や軽い坂道を混ぜることをお勧めします。なお、階段は上る時よりも下りる時に使う筋肉の方が日頃使っていないので傷めやすいようです。十分ご注意ください。

 

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酒の楽しみ方

昨日もちょっと書きましたが、最近また「酒を飲みたい」という気持ちが失せ始めています。家に帰って飲む酒を考えたときに、ビールであれ焼酎であれ日本酒であれワインであれ、「飲みたいな」と思う気持ちが明らかに失せています。何を飲んでも爽快感を得るような気がしないのです。だから「飲まないなら飲まないでもいいか」という気持ちになることがちょくちょくあります。何故だろう?と考えたときに浮かんできたのは、酒のつまみが問題なのではないかということ。

半年ほど前、ここで酒の飲み方について書いたことがあります。

「酒のつまみとしての料理」なのかそれとも「料理のアテとしての酒」なのか”というやつ。当時は『酒を飲むためにそのつまみになる料理を見繕うわけで、云うならば「酒さえあればつまみは何でもいい」 』と書いています。ほんの半年前なのに、その心境が急激に変ってきているような気がするのです。「つまみにナッツやお菓子しかないのなら飲まなくてもいいかな」など、今まで起きたこともなかった感情・・・むしろ、「美味しそうな料理があるから」あるいは「好きな惣菜を買ってきたからちょっと今日は日本酒飲んでみたいな」みたいな感覚が生じてきているのです。でもかと云って、自分で料理を作るわけでもないので「今日は日本酒を飲みたいからこの料理を買おうかな」という感覚になることがそう多いわけでもない。

わたしの晩酌卒業の日も、もしかしたら意外に近いのかしら。

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ヘルスチャレンジ2024

昨年、景品として歯ブラシをゲットできたこのチャレンジが今年も来月から始まります。もちろん今年も最大数の5つのコースにエントリーしました。

③休肝日・飲み過ぎ防止コース
⑤歩こうコース(9000歩以上/日)
⑧睡眠しっかりコース
⑩眼精疲労予防コース
⑬オーラルケアコース

まあ、どれも大した努力は要らないと思うけれど、やっぱり一番気を遣うのは③休肝日・飲み過ぎ防止コースではあります。ただ、最近、「飲まないでもいいか」と思うことが少なくない日常なので、昨年ほど大変ではないかもしれません。③休肝日・飲み過ぎ防止コースの達成基準は、基本項目(週1回以上休肝日をつくる)をクリアした上で、●適量を守る●一日のお酒は1種類●強いお酒を飲むならチェイサーを入れるの中のどれか1つクリア→これを20日以上/月です。『適量』はビール500ml以下か日本酒1合以下か焼酎(35度)1合以下(ワインはグラス1杯)って、簡単にできますよねえ、今のわたしなら。

先日、8時間寝てもお得感が得られなかった話を書きましたが、⑧睡眠しっかりコースの達成基準は、「休日も含めて毎日一定の時刻に起きて午前中に太陽の光を浴びる」を基本項目として、●カフェインを夕食後は摂らない●寝る前30分にスマホ、タブレット、パソコン、ゲーム機を電源を切る●食事は寝る2時間以前に済ませ寝酒をしない●ぬるめの湯にゆったり入る●自分なりの入眠儀式を決めて実行の中のいずれかを1つクリア→これを20日以上/月です。スマホの項目が一番大事なのでしょうがたぶんわたしにはクリアできないから、カフェインレスか寝酒レスか入眠儀式かでクリアさせることになるでしょう。

 

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睡眠時間

一昨日が妻の健診日だったので、その前の晩は早々に食事を済ませ入浴も済ませて早々に就寝。わたしも早めに風呂に入ったら健康的な眠気が出てきたので、早く寝ることにして22時には床に就きました。

この歳なので、そう長い睡眠はできないだろうと思っていましたが、朝の目覚まし時計が鳴る6時まできっちり寝ることができました(もちろん、いつものように定期的に小便には起きましたが)。腰痛が出ることもなく、まあまあしっかり睡眠できましたが・・・「8時間睡眠って、やっぱり長い。長過ぎる。なんか、人生の半分くらいを捨てたような気分になる!」というのが実感でした。

多く眠れたからといって、翌朝の爽快感が増えたというわけでもなく、昼間の眠気や活力が改善したというのでもない。おそらく最近は6時間睡眠でも昼間の眠気や疲労感を感じることがほとんどなかったから差を感じないのかなと思うのですが・・・。

生活習慣病の治療の主体は『運動』『食事』『睡眠』・・・3本柱のひとつである『睡眠』なのだけれど、なんか思ったほどの”得した感”が得られなかったのがくやしい。一日3時間以下睡眠を豪語するような『ショートスリーパー』は論外なのでしょうけれど。そうなると、夜にやりたいことがたくさんある現代社会人として、7時間、8時間睡眠を積極的に支持しなくてもいいのかな、と思ってしまう結果でした。

まあ、自覚症状に大きな差がなくても臓器の修復作業や代謝作用には良い結果をもたらしているのだと信じることにいたしましょう。
 

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太ってもやめるべし?

禁煙後の体重増加はどうすれば防げる? 禁煙後に太ってもメリットは大きい 健康的な生活により寿命を7年延長

禁煙後に体重が増えるのを気にして、禁煙をためらっている人は多い。しかし、喫煙を続けていると、とくに内臓脂肪が増えやすくなり、長期的にみるとやはり、禁煙に取り組むことで得られるメリットは大きいことが明らかになった。禁煙に取り組み、健康的な体重を維持し、アルコールの飲みすぎを減らすことで、寿命を最大で7年延長できることも示された。禁煙後に体重をなるべく増やさないようにするコツも紹介されている”(保健指導リソースガイド2024年04月01日公開)

こんなことは、遠い昔から云われていること。「タバコをやめると太るからやめない」とか、「タバコをやめたらめちゃくちゃ太ったから慌ててまた吸い始めた」とか、タバコをやめない言い訳や再開する言い訳は昔から似たようなものでした。動脈硬化の最大の危険因子(国の重要な税収だから目をつぶるように国から圧力はずっとかけられてはいるけれど)が喫煙だし、禁煙で増えるのは皮下脂肪がメインだし、タバコをやめたら太るのは手持ちぶさたでたくさん食べるようになったからではなく、胃が健全になって前より食べた物の吸収率があがったためなのだから、同じ量食っても太るのが当たり前だけど、それでも動脈硬化を起こす危険度は禁煙前より遙かに低いのだ、とわたしは20年近く前にすでに教わりました。ま、そんなこと知っていても吸っていましたけどね、以前。

でもね、禁煙者がめちゃくちゃ太るのも、だから喫煙再開するのも、全部が言い訳ですからね。

禁煙後に体重をなるべく増やさないために、▼健康的な食事をとり、意識的にゆっくりとよく噛んで食べるようにする、▼ウォーキングなどの活発な有酸素運動を行い、禁煙後のタバコへの渇望感やイライラなどの離脱症状を減らす、▼糖質の入っていないガムや飲み物など、間食を工夫する、▼1日1回体重測定を行い、スマホアプリなどで記録することを勧めている

なんてこと書かれてもしない(読まない)し。する人は、こんなこと書かれなくてもちゃんできるんですよね。
 

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夢中になれること

「夢中になれることに出会えると、心も健康になります」

先日、facebookに日野原重明先生の詞として紹介されていたフレーズです。良い言葉だなぁと思ってすぐにシェアしました。さてさてそれは分かっているけれども、私はそんな『夢中になれること』にまだ出会えていない様に思われます。寂しき話ではありますが、焦ってもしょうがないし。「何云ってるんですか。貴方には応援するプロサッカーチームがあり、ゴルフがあり、愛犬がいて、めちゃくちゃ夢中になることだらけじゃないですか!」と云われそうだけれど、側で見ているのと本人の感覚は全く違います。そのどれをとってみても、”夢中になれる代物”ではありません。まあ、そうは云っても、贔屓チームが試合に勝っても負けても応援はいつも一生懸命だし、たとえスコア126を叩いてもゴルフ中は楽しいし、時々めちゃくちゃイライラしたり頭に来たりしてもやっぱり愛犬が甘えてきたら嬉しい。だから。夢中にはなってないけれど最近の私の心はまあまあ健康だと思います。

でも、もっと本当に夢中になれることがこの世にはあるんじゃないかと思うわけです。定年を超えた今の私にこそ出会うべきものがきっと現れるはずだと期待しているのであります。

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体調報告

先週、「職員のみなさま FORMS健康チェックは不要です」というメールが届きました。

FORMSの健康チェックというのは、新型コロナ流行し始めた時にうちの職場の入院患者に感染者が出て(後になって、県の検査センターの検体取り違えで「うちから出た」というのは濡れ衣だったことが分かりましたが)その時に厚労省のお役人たちがやってきて、「職員の体調管理すらきちんとしてないなんて、そんなずさんな組織体制だから感染者を出すんだ!」と叱られたことをきっかけに、休みや出張の日も含めて必ず毎朝体温を測定して体調報告と合わせてformsで報告するシステムです。新型コロナが第5類になって世間でマスク外しが進んで以降も、「やめてもいい」という通知がないから毎日マジメに報告してきました。この文面を読むと、もうとっくの昔に報告義務は解除されていたのか?と勘ぐりたくもなるけど、そんなんじゃないですよね。ま、ちょっとした体調変化があっても、毎朝必ず体温測定を欠かさずやっていたから、自信を持って生活することができたのはたしかで、世間の多くの連中が「熱はあるの?」と聞いても「ないと思う」とかいい加減に答えているのが信じられませんでした。

やっと、この4年間のコロナ禍の戦いがひと段落の節目を迎えたのだなと実感します。でも、仕事中のマスク装着義務はたぶん当分続くと推測されます。もっとも、わたしはその後も朝の体温測定を続けています。もちろん報告義務はなくなったのだから報告はしませんが、朝起きて、体温測定した後に血圧測定をして併せてスマホのアプリに入力を済ませてからR1と一緒に血圧の薬を飲む、というのがわたしの朝のルーチンになってしまっているからです。

 

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朝風呂はNG?

本読み習慣が少しできたので、先日Amazonで購入した『Tarzan』~睡眠のナゾも楽しみに読んでみました。でも残念ながら、中に書いてある内容はわたしとしてはほぼほぼ陳腐で、新しい感動は何もありませんでした。

ただその中で、『朝風呂のナゾ』というコーナーに、「睡眠の質を高める入浴方法は、”就寝90分前に40~41度のぬる湯で10~15分程度”が通説」で、『朝風呂のメリット』は低血圧気味の人なら42度程度の熱めの湯に5分で交感神経優位になるからシャキッと目覚められるけれど、血圧高めの人は脳卒中などのリスクがあるので「絶対NG!」て書かれていました。

これは、高血圧の治療中のわたしにはかなりショックな文面です。わたし、割と朝風呂に入ることがあります。宴会などで深酒した夜など、「今風呂に入る方が危険だ」と判断したときは、さっさと寝て翌朝入ります。旅先(学会出張や個人的な旅など独りで泊まるとき)でも、夜に独りで入って具合など悪くなったら大変だと思って、翌朝に入ることが多くなります。それは、新進気鋭のドクターや大忙しのドクターが出張先で夜のうちに突然死していたなどという話を少なからず聞くからです。やはり酔って風呂に入る方が朝風呂に入ることよりはるかに危険なことだと思うのですよね。

まあ、「だから、酒飲まなきゃいいんじゃないの」と云われてしまえばそれまでのことですが。

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食塩感受性

高血圧の犯人が塩分だけではないことはほぼ知られてきていますが、それでも『食塩感受性』が高いと塩分の影響は受けやすいと認識してきました。そもそも海中生物だった生物はナトリウムによって体内機能の維持を行っており、人類を初めとする動物たちが陸に上がり海中にいたときほどナトリウムを自由に摂取できなくなったがために、体内に効率よく塩分を貯める仕組みが必須となりました。体内では塩分濃度を一定に保つために塩辛いものをたくさん摂ると水分を体内に溜めて濃度を薄める作用をするので体内の血液量が増えて結果として血圧が上がる。だから内陸部に住む人種ほど少ない塩分で血圧維持できない人たちがバタバタと倒れ、少ない塩分でももきちんと血圧が上げられる人が自然淘汰の中で生き延びてきたのだ、と教わりました。つまりその体内にナトリウムを蓄えて水分を蓄える力が強い人を「食塩感受性が高い』」というのだ、と。

ただ、昔から疑問だったのです。日本人は欧米の白人に比べれば食塩感受性の高い人が多いとはいえ、アフリカの黒人ほどは多くなく、せいぜい約半数なのだと聞いていますから、日本人に高血圧が多いのは塩分だけのせいではないのではないか、と。どうも、高血圧に関連するものはほかにタンパク質と酒などもあるのではないかとこの本には書かれていました。東北の農村部は冬は雪に閉ざされて寒くて新鮮な野菜や魚が手に入らず一方で米でどぶろくを作って酒を飲んで冬を過ごしたのに対して、漁村では海藻や野菜や新鮮な魚を存分食べる一方で米は不足するので酒は飲まず冬でも漁に出て身体を動かしてきた。その結果が脳出血の罹患数の差に表れているのだそうです。

もう一つはカリウムでしょうか。カリウムは血中のナトリウムを引っ張り出してくれる効果があるから。でもねえ、意外にカリウムをたくさん摂るのは大変。「野菜に多く含まれている」と説明はするけど、ゆでたり切ったりするとカリウムは出て行ってしまいますから、大量の新鮮野菜をバリバリ食わねばなりません。わたしは意外に食っている気がするけど、ナトリウムと1:1にすべし、と云われるとさすがに自信はありません。

 

 

 

 

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炭水化物論争

「食の欧米化の影響で日本人に糖尿病やその予備群が増えてきた」と云われて久しい。ところが、健康志向の高まりの影響をもろに受けて、実は現在の一日当たりのカロリー摂取量は終戦直後よりも少ないという。終戦直後より現代人の方が量を食べていないのに糖尿病になる人が多い、というパラドクス。砂糖の摂取量も増えていないかむしろ減っているとなると、じゃあ糖尿病増加の原因は何なのか? ということで、著者の奥田先生はカロリー総摂取量に占める脂肪の割合が上がり炭水化物の割合が下がったことだ、と云いきっているわけです。その最たるものが沖縄県人の健康度の著しい低下なのだと。

それはそれで良いとして、そこに『低炭水化物ダイエット』というか炭水化物を減らすことにより食後高血糖をコントロールして糖尿病を改善させるという理論から、炭水化物を減らすべきだという考え方が台頭してきました。「減らすなら脂肪か炭水化物か?」という論争が出始めてもう何年になるでしょうか。結論が出そうで出ないこの問題。わたしは、「脂肪か炭水化物か?」ではなくて「どっちも減らせばいいじゃないか」と思って無視してきました。

炭水化物を減らすと何が悪いのか?日本人はインスリン分泌量が欧米人より少ないですが、
・インスリンが少なくても、炭水化物の摂取が多ければブドウ糖を必要なだけ細胞に取り込むことができる。
・しかし炭水化物の摂取が減ると少ないインスリンではブドウ糖を十分確保できない→膵臓はインスリン分泌を高めようとがんばる→次第に疲弊して機能低下→インスリン分泌する細胞の数が減ったりインスリンを作れなくなる→太っていなくても糖尿病になる。
・欧米人はインスリン分泌量が多いので炭水化物の摂取量が少なくてもブドウ糖を十分確保できる。
ということで、日本人が糖尿病を予防し進行を抑えるためには炭水化物を十分量摂取する必要があるのだ、と云うわけです。

さてどうしましょう。減量するには低炭水化物が有効だけど、程度が極端だとかえって糖尿病にはなりやすい。炭水化物を摂るのが大事だといっても多すぎれば結局内臓脂肪を蓄える。ということで、ほどほどの制限=ロカボの概念が生まれたということになるんでしょうか。ようわからんけど。

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倹約遺伝子

日本人が糖尿病になりやすいのは『倹約遺伝子』のせいだと云われていて、これがあると欧米人より基礎代謝量が下がるから同じカロリーを食べても日本人の方が太りやすい。アジア人に倹約遺伝子を持つ人が多い理由は、アジア人が昔から食うや食わずの飢餓の歴史が長かったから、食わずとも生き延びていける仕組みが発達したのだ、とそう教わりましたし、そう説明してきました。でも、それがちょっと違うようなのです。たしかに奥田先生が云われるように、「倹約遺伝子を持っていると基礎代謝量が下がって太りやすくなるのなら、倹約遺伝子を持つ人が少ない欧米人はもっとやせていてもよいはず」なのに、むしろ太った人が多いのはなぜだろうか?と云う話。

・実際のアジアは土壌が肥沃でヨーロッパより遙かに豊かな食生活を送ってきた。
・インスリンは炭水化物を摂れなくなったときのために余ったブドウ糖をグリコーゲンに変換して筋肉や肝臓に蓄える働きをしている。
・アジア人はいつでも炭水化物を摂取できるのでブドウ糖を大量に蓄えておく必要がない。だから、インスリン分泌量が少なくてすむ。
・一方、土壌が農耕に向いていないヨーロッパでは炭水化物を十分に摂取できないから肉と脂肪中心の食生活で、炭水化物が手に入ったときにはインスリンを大量に分泌してブドウ糖をしっかり蓄える。脂肪をたくさん摂る上にブドウ糖をしっかり蓄えるから太ってしまう。

「農耕民族は飢餓の歴史。そこでくたばらずに生き延びてきた遺伝子系だからこそ、『食わずとも生きていける』体質なのに、今、どんどん食べるから太ってメタボになって、糖尿病が増えるんだ」と説明してきたわたしは、ウソを教えてきたと云うことになるの? とちょっとパニクり気味です。

 

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日本人の「体質」

久しぶりに本(本物の本)をほぼ1冊読み上げました。先日の外来で診察で呼ばれるまであまりにも長い間待たされたおかげでしっかりと読む時間ができました。

読んだ本は『欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」』(奥田昌子:BLUE BACKS)。2016年の本だから何かと世間の見解も変わっているものが多々あるかもしれないけれど、わたし的にはとても楽しく読めました。生活習慣病に関わるメカニズムは、世間の方がわかりやすいようにわたしも工夫して話してきていましたが、若干自分で解釈を誤解していたところもあって、「なるほど」と腑に落ちるところが数多くありましたのでこれから数回にわけてちょっとだけ紹介してみます。何かの参考になれば幸いです。

⚫︎倹約遺伝子
⚫︎炭水化物論争
⚫︎食塩感受性

 

 

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