倹約遺伝子
日本人が糖尿病になりやすいのは『倹約遺伝子』のせいだと云われていて、これがあると欧米人より基礎代謝量が下がるから同じカロリーを食べても日本人の方が太りやすい。アジア人に倹約遺伝子を持つ人が多い理由は、アジア人が昔から食うや食わずの飢餓の歴史が長かったから、食わずとも生き延びていける仕組みが発達したのだ、とそう教わりましたし、そう説明してきました。でも、それがちょっと違うようなのです。たしかに奥田先生が云われるように、「倹約遺伝子を持っていると基礎代謝量が下がって太りやすくなるのなら、倹約遺伝子を持つ人が少ない欧米人はもっとやせていてもよいはず」なのに、むしろ太った人が多いのはなぜだろうか?と云う話。
・実際のアジアは土壌が肥沃でヨーロッパより遙かに豊かな食生活を送ってきた。
・インスリンは炭水化物を摂れなくなったときのために余ったブドウ糖をグリコーゲンに変換して筋肉や肝臓に蓄える働きをしている。
・アジア人はいつでも炭水化物を摂取できるのでブドウ糖を大量に蓄えておく必要がない。だから、インスリン分泌量が少なくてすむ。
・一方、土壌が農耕に向いていないヨーロッパでは炭水化物を十分に摂取できないから肉と脂肪中心の食生活で、炭水化物が手に入ったときにはインスリンを大量に分泌してブドウ糖をしっかり蓄える。脂肪をたくさん摂る上にブドウ糖をしっかり蓄えるから太ってしまう。
「農耕民族は飢餓の歴史。そこでくたばらずに生き延びてきた遺伝子系だからこそ、『食わずとも生きていける』体質なのに、今、どんどん食べるから太ってメタボになって、糖尿病が増えるんだ」と説明してきたわたしは、ウソを教えてきたと云うことになるの? とちょっとパニクり気味です。
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