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2024年5月

高血圧の基準が変った?

「『高血圧の基準が4月から160/100mmHgに変わったんでしょ』と受診者さんに云われることがあったので、色々調べてみました」

先日、わたしの働く施設の保健師さんがこんなメールを送ってくれましたが、それまでわたしはそんな話を聞いたこともなかったのでちょっと驚きました。なにしろ、「血圧は24時間血圧計の平均値で120/75mmHg以下にコントロールしないと危険です」と外来主治医に云われて、この5ヶ月間でシビアな血圧コントロール指導を受けたばかりのわたしですから。保健師さんの検索した記事の解説によると、

高血圧診断基準ではなく、全国健康保険協会(協会けんぽ)が、従来から行っていた「未治療者の方への受診勧奨(重症化予防事業)」の勧奨基準を、「収縮期:140mmHg以上/拡張期:90mmHg以上」(Ⅰ度高血圧)の基準から、2024年4月~「収縮期:160以上/拡張期:100以上」(II度高血圧)の基準に変更したようです”とのことです。どうして、こんな中途半端な勧奨基準に変えたのでしょうか。この記事に書かれているように、”今までは、「病気の兆しが出ていて、このまま放置すると病気になりますよ」という勧奨基準から、「すでに病気の診断基準を満たしているので直ぐに治療を始めてくださいね」というメッセージに変更されたのです。本当に日本国民の健康を守ろうという意識があるのか、はなはだ疑問に感じますが、医療経済学的な観点から考えれば、致し方ないのかもしれません”というのがまさしく正解なのでしょう。

人間ドックの判定基準でも、たしかに高血圧症の基準である140/90mmHgでは『要経過観察』になって医療機関への紹介状は出ません。紹介状が出るのは160/100mmHg以上です。糖尿病の評価も『空腹時血糖126以上かつHbA1c 6.5%』になって初めて紹介状です。つまり、間違いなく医療機関で内服治療を始めないとマズいレベルにならないと『要精密検査』『要治療』の紹介状は出さないみたいなのです。わたしたち医療者からすると「もっと早くから治療しないと手遅れになるでしょ!」と思うのだけれど、I度高血圧や境界型糖尿病レベルで医療機関を紹介してもどうせ運動と食事の注意を指示されるだけで内服治療を始めないものだから、受診した患者さんは「まだ治療は要らないレベルだ」と勘違いしてしまう。だから絶対に薬剤治療を始めるレベルまで医療機関には紹介しない、ということなのでしょうか。高血圧も糖尿病も、「運動と食事」こそが治療なのだと云うことをもっと医療機関の医者たちが強調してくれさえすれば問題ないのに、彼ら医者たちも「内服治療をするレベルでないものは医療機関の仕事ではない」と思っているものだから、こんな状況に陥ってしまっているのだと思います。

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まだ金曜日

今週は、なんか知らんがいつもより長い。水曜日辺りの朝、目覚ましアラームのスイッチを切りながら「今日は週末だから休みだね」という思いが頭をよぎった後に、「違う違う、まだ週半ばだ」と気づいて飛び起きました。昨日はずっと金曜日気分で出勤して、「今日は木曜日」と気づいて落胆しました。なんか、メチャクチャ損した気分。今週が長くてなかなか曜日が進まないのは、もしかしてゴールデンウイークや有休で5月に入ってから休んでばかりだった影響なのかしら。でも、先週の方がいっぱい働いたけどな〜。

わたしは今後、7月11日の有給休暇の日まで平日休みはありません。考えただけで少しこころが憂鬱になってしまいますが、まあ、少し減ったとはいえこの歳でまともにお給料いただいている以上はそれが当たり前ですわね。世の中、こうやって五月病、六月病が産まれてくるんでしょうか。わたしゃ、そんなグチは口にも出さずに頑張りますよ。

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下着のタグ

ユニクロのTシャツの襟の後ろや下着のパンツの背中側に、あるはずの白いタグがなくなってからそれなりの期間が経ちました。物持ちの良いわが家でも、妻のパンツに続いて私も数年前に新しいのを買ったときにアンダーシャツの襟の裏のタグが生地に直接印字される形に替わっていましたがやっとそれにも慣れてきたところです。ところがここへ来て、なんと裾のタグまでなくなってきたではありませんか。先月、定年退職記念に職員有志からいただいたJCBギフト券を使うために久しぶりにユニクロに行って、綿パンやアロハシャツと一緒にヨレヨレになってきていたエアリズムのシャツも新調しようと数枚買いました。でも、どのシャツにもタグが全くないのに右往左往。昨日よく見たら、裾も生地に直接印字で何か書かれてはいるみたいなのだけれど、老眼の私にはほとんど見えません。

タグを縫い付けたりする作業工程の省略でコスト削減を図っているのかもしれないし、それはそれでオシャレで良いとは思うんですけどね。服の左下に付けられているタグというのは、服を後ろ前に着ないようにする大事な目印なんですよね。暗闇でも裾を広げたときに白いタグが左になるようにして首を突っ込んだらちゃんと着ることができる・・・それは子どもの頃に母親から教わった普遍のルール。手編みのセーターや手縫いの服などの既製品じゃないときにその目印がなくて苦労した記憶もありますが、今のわが家はほぼ全てが既製品なので、例外なくそうやって着ていました。ユニクロさん、ユニクロを利用するのは若い人だけではありません。むしろ年寄りの方が利用者は多いかもしれませんから、年寄りのことも考えてデザイン考えていただけると幸いです。

これ、おじさんにはとっても大切なことなのですけど、これもご時世。慣れるしかないのでしょうか。

 

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排塩コントロール

取り過ぎた塩分を出す「排塩コントロール」と具体的な指導方法

 ”10年ほど前に話題になったDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食。それが今、塩分を排出させる食事として再注目されているようだ。DASH食とは、飽和脂肪とコレステロールの少ない果物、野菜、ナッツ・豆類、低脂肪乳製品、全粒穀類を豊富に摂取することで降圧効果が期待される“塩分の排出に重点を置いた食事療法”で、米国・国立衛生研究所(NIH)などが考案したのを契機に、国内の高血圧治療ガイドライン2019年版1)でも推奨されている。また、この食事療法に減塩を組み合わせたものはDASH-sodium食と呼ばれ、これまでに十分なエビデンスが報告されている2,3)。”(Care Net 2024/05/17公開)

日本人の食事パターンを考えるとどうしても塩分の取り過ぎを抑える“減塩”に重点が置かれる傾向があるけれど、むしろ「排塩を意識した高血圧対策」が重要なのではないかという提案のようで、「確かにそうだな」と感心してここに紹介したくなった次第。日本特有の四季折々の食事「和食」(日本人の伝統的な食文化)を大切にしながら、旬の食材を用いた排塩コントロールの実践を促すために、塩分の排泄を促すカリウムや食物繊維、血圧調整を担うカルシウム、血圧上昇抑制に影響するマグネシウムなどが豊富に含まれている初夏~夏の食材を紹介してくれていました(福岡大学医学部衛生・公衆衛生学有馬久富氏)。掲載されていた調理方法をご紹介します。

<お薦めの調理方法>
・トマト、ズッキーニ、なすなどの夏野菜をトマト缶+少量だしで煮込む(ピザ用チーズや鶏肉を追加してもおいしい)
・刻んだきゅうりをもずくに入れて、冷ややっこにかける
・オクラ、なす、ししとうをゆがき(電子レンジでチンでも)、めんつゆとおかかで和える
・トマトとモッツァレラチーズにオリーブオイルとペッパー/バジルを少しかける
・初夏であれば、新じゃがを牛乳で煮込む
・生で食べられるトマト、きゅうり、とうもろこしにツナ缶を和える(豆腐を入れても)

 

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敵はマヨネーズにあらず

マヨネーズをオリーブ油にすると認知症死亡が14%低下

 ”オリーブ油の摂取と認知症関連死亡との関連はわかっていない。今回、米国・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのAnne-Julie Tessier氏らが、9万人超の前向きコホート研究を実施したところ、オリーブ油を1日7g超摂取する人は、まったく/ほとんど摂取しない人と比べて、食事の質によらず認知症関連死亡リスクが3割近く低いことがわかった。また、1日5gのマヨネーズを同量のオリーブ油に置き換えると、認知症関連死亡リスクが14%低下すると推定された。JAMA Network Open誌2024年5月6日号に掲載。”(Care Net 2024/05/17公開)

「この結果は、心臓の健康だけでなく認知関連の健康のために、オリーブ油や他の植物油を選択する現在の推奨を広げるものだ」

わが家は、卵アレルギーの妻がいるのでマヨネーズは使えません。卵不使用のマヨネーズもどきを使います。だから、題名を読んだときには、「マヨネーズが悪の根源だからマヨネーズを他の物に代用させるべきだ」と書いてあるのだと思い、それはわが家には朗報だ!とぬか喜びしたのですが、読めば、マヨネーズがどうのこうのと云うのではなく、「オリーブ油を使うと認知症リスクが下がるよ」という話なのですね。そりゃ、そうでしょうよ。一体、マヨネーズなんてどこから出てきたんでしょう? 

5g/日のマヨネーズを同量のオリーブ油に置き換えると認知症関連死亡リスクが14%(95%CI:7~20)低下し、5g/日のマーガリンを同量のオリーブ油に置き換えると8%(同:4~12)低下すると推定された”という研究だったためみたいです。

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「歳とったからね」

「ぼくももう、歳とったからね」

わたしの働く職場で、若い職員さんからみるとわたしはもう立派に”爺さん”。アタマが白く薄くなり、顔や手に出てきたシミがどんどん大きく多くなっていくにつけ、「年寄りやからなぁ」と自分に云って聞かせます。でも、風貌とは裏腹に、ココロが並行して歳を取らないものだから、どこかに変なギャップを感じます。

『年寄り』と『若い』の境目がよく分からないままに年齢を重ねてしまった結果なのかもしれません。今、初めてわたしに会う人や長い間会っていなかった人に会った場合は”高齢者”という目でわたしをみるかもしれませんが、わたし自身やわたしの家族はずっと連続した日常の中でわたしを見ているので、あるとき突然歳を取るようなエピソードがない限り、結局三十代、四十代の自分の延長でしかないわけで、「気持ちはまだ若いのに身体が付いていかない」と云うことがどうしても許せないというか情けないというか。「もう、いい歳なんだから、そんなもんなんじゃないの」と他人に云われ、「それもそうだね」と分かったフリをしてはいるけれど、決して自分自身では納得なんかしていないのであります。

おそらく、親にも祖父母にもなるタイミングがなかったから、わが家で一番若いのがイヌやトリを除けば自分や妻のままだから、自分より若い人間が生活にいないから、自分が年寄りになったという自覚を得る機会がなかったわけでしょう。まあそれはそれで「若さを保つ」という観点では大事なことです。むかしからの友人知人や若い頃を知っている職場スタッフはお互いに「むかしのまま」なのに、最近入ってきた若いスタッフにとってはわたしは明らかに”高齢者”という見え方になる。そこに大きなギャップがあるのに自分は同じように感じている(わたしはまだ若い、と)。そこが、問題なのでしょうね。

世の中のジジイの『歳をわきまえない愚行・恥行』はそんな勘違いからくるものだと心得て、自分も自戒しなければなりますまい。

 

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コーヒー効果、だけど今は高価です

早食いでもコーヒー1日1杯でメタボ抑制

京都府立医科大学のReisa Hiramatsu氏らは、日本の多施設共同大規模コホート研究J-MICC STUDYのデータを用い、メタボリックシンドローム(MetS)と食事の速さおよびコーヒー摂取量との関連を検討。その結果、レギュラー(ドリップ)コーヒーまたはインスタントコーヒーの摂取量が1日1杯未満で早食いの群と比べ、1日1杯以上の群では食事速度に関係なくMetSのリスクが低く、1日1杯以上のコーヒー摂取が早食いに起因するMetSの予防に有用である可能性が示されたとHealthcare(2024; 12: 603)に発表した”(Medical tibune 2024年05月14日 配信)

・食事速度に関しては、遅い群と比べて速い群でMetSリスクが有意に高かった。
・ドリップ/インスタントコーヒー摂取量が1日1杯以上の群は、1杯未満の群と比べてMetSのリスクが有意に低かった。
・コーヒー摂取量が1日1杯未満かつ食事速度が速い群(対照群)と比べ、1日1杯未満かつ食事速度が遅い群でMetSリスクが有意に低かった。
・コーヒー摂取量が1日1杯以上の群では、食事速度に関係なくMetSリスクが対照群と比べて有意に低かった。

コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールは体重に影響を及ぼすとされており、例えばポリフェノールの一種、クロロゲン酸については、体重低下に寄与することが示唆されている(J Int Med Res 2007; 35: 900-908)。コーヒーの摂取はMetSのリスクを抑制しうる

コーヒーの健康に対する効果は、良きも悪しきもいろいろ報告されていてここでも都度紹介しましたが、メタボ対策に有効で「早食いでもコーヒーさえ飲めばメタボ予防ができる」という結果・・・おそらく研究者はコーヒー好きなのでしょう。ただ、今、コーヒーは空前の高値です。ブラジルのコーヒー豆の不作に加えて、カカオ生産世界第二位のベトナムがカカオ畑を潰してドリアン栽培に力を入れているからだと先日テレビ報道で紹介されていました。中国で起きているドリアンブームに乗っかってコスパの良いドリアン栽培にシフトさせるが国策なのだとか。一日数杯コーヒーを飲まないと心安らかになれないというわたしの友人がいます(彼女は太ってるけどな)が、わたしのように別にキライでも好きでもない人間にとって、早食いの免罪符としてわざわざ高価なコーヒーを飲む気にはなれないところではあります。

「信じられないほど不味い」とウワサの究極のビタミンC製剤・・・でも、「健康にはとても良いのだから健康のために毎日ガマンして飲むべきだ」という内容の紹介が先日ラジオの通販番組でやっていましたが、あれと似たような部類なのでしょうか(アレより、コーヒーの方がはるかに敷居は低いか)。
 

 

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時間制限食の可否

時間制限食で心血管死リスク上昇

 ”1日の中で食事を摂取する時間枠を短時間に制限する「時間制限食」によって、死亡リスクが上昇する可能性を示唆するデータが報告された。食事摂取時間枠を8時間未満に限定している人は、心血管死リスクがほぼ2倍に上るという。上海交通大学大学院(中国)のVictor Wenze Zhong氏らが、米国心臓協会(AHA)の生活習慣科学セッション(EPI-Lifestyle 2024、3月18~21日、シカゴ)で発表した。”(Care Net 2024/04/22公開)

時間制限食』というのは”断続的断食の一種で、1日の中で食事を摂取する時間を一定の時間帯に制限する食事スタイル。 例えば、24時間のうち8時間のみ摂取可として、残りの16時間はエネルギーのない飲食物を摂取するといった方法”です。

 いつかは出てくるだろうと思われた時間制限食のアンチテーゼです。一日の食事時間を8~10時間以内にまとめるとやせるのは確か。ただ、その他の健康効果が疑われ始めて来ているわけです。サーチュイン遺伝子発動のためにも飢餓の時間が大事だと思う反面、セカンドミール効果で返って食後高血糖を誘発する、と反対する声もありましたが・・・20年来朝メシを食わないから結果として時間制限食の実践を続けている形になっているわたしとしては、これを読んだからといって別に何かを変えようという気にはなりませんでしたけれど。

この結果には驚かされた。これまで時間制限食は、血圧や血糖値、コレステロール値などの、心臓の健康状態に関連する指標を改善する可能性が示されていたが、それらの研究とは正反対の結果である
われわれの研究結果は、人々に対する食事スタイルの推奨に際しては、より慎重かつ個人の健康状態や最新の科学的エビデンスに一致する、個別化されたアプローチを採用すべきであることを強調している」・・・まあ、なんとなくいろんな分野に忖度したような切れ味の悪い総括でありますこと。

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血圧放置厳禁!

血圧は放置厳禁!やや高めでもCVDは2倍~職域多施設研究J-ECOHスタディの参加者8万例超で検討

 ”職場などの健康診断で「血圧がやや高め」と指摘されたが、特に何もしていないという人は少なくない。横浜市立大学公衆衛生学准教授の桑原恵介氏らは、就労世代8万例超を対象に、最新の血圧区分を用いて分類した血圧と心血管疾患(CVD)との関連を検討。やや高めとされる正常高値血圧でもCVDの発症リスクが約2倍になること、CVD発症への影響は正常高値血圧~軽度高血圧で大きいことが明らかになったと、Hypertens Res(2024年4月8日オンライン版)に報告した。”(Medical Tribune2024年04月16日公開)

正常血圧群を基準としたCVD発症のaHRは、正常高値血圧群で1.98(95%CI 1.49~2.65)、高値血圧群で2.10(同1.58~2.77)、Ⅰ度高血圧群で3.48(同2.33~5.19)、Ⅱ度高血圧群で4.12(同2.22~7.64)、Ⅲ度高血圧群で7.81(同3.99~15.30)と、血圧が高いほどCVDリスクは上昇した(傾向性のP<0.001)

職域多施設研究J-ECOHスタディのデータを用いてCVDとの関連を検討したものです。症状もないし、ちょっと高めだというだけだから放置。まあ、家で測ってみているけれど家ではもっと低い。血圧はちょっと高めくらいが一番健康だという意見もある。下げすぎると危険らしい。はいはい、その気持ち、よくわかります。実際の患者であるわたしが昨年末までそんな管理していましたから。でも血圧はやはりきちんと下げないと意味がない。高齢者でももちろんそうだけど、むしろ労働者層こそが重要だということをここ半年でしっかり学びました。面倒でも、きびしく管理してほしいと思います。

CVD予防の観点からも、就労世代で見過ごされがちな正常高値血圧の段階から意識的に血圧管理に取り組むことが重要で、医療者にはそのサポートが求められる」という総括でした。

 

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危機的状況

もう一つのブログ(日記帳)にも吐露したところです。3月に500gほど増え始めてきた体重が4月半ばにさらに1キロ増え、5月8日の測定でさらに1キロ増えてしまってショックだったのに、5月10日(昨日)に測ったら二日前からさらに1キロ増ですよ。もはやこれは、身体に魔物が取り憑いたとしか思えません。これまでに10〜15キロくらいの減量は7、8回は繰り返してきた武勇伝を持つわたしですら、今回はへこたれています。昨年夏に勝手に減っていた体重がここへきて突然の増加に転じてしまった、その原因がわからないからです。「そら、運動不足か食べ過ぎだろたい!他になにがあろうか?」と云われるのはわかってはいるけれど、だってどっちもそれなりに続けているんだもの。

わたし、先日買った雑誌Tarzanの特集『腹が凹む7つの習慣』を今日から実践してみますよ。まだ買っただけでゆっくり読もうと思ってほとんど読んでなかったけど、もうそう悠長なことは云ってられないわ。

1.とにかく坐骨で座る。骨盤周りの姿勢のことやな。
2.肩甲骨を立てて寄せる。座って仕事する時の、これも日常の姿勢やな。
3.“そのまま食材”を食べる。タンパク源と腸活食材のラインナップ。
4.食事時間をカウントする。早食いをやめてゆっくり食べるとお腹は引っ込むらしい。「早食いでもちゃんとよく噛んで食べている」を自負していたわたしには耳の痛い指摘。大前提は「どのくらい時間をかけて食事をしているかを認識すること」だそうな。
5.1日10分間しゃがむ。できそうで意外にできない腹筋運動。
6.グッと力んでから寝る。良質な睡眠がポイント。意外にもあえて力むとリラックスして寝入りやすいらしい。
7.休日は必ず予定を入れる。これはご心配なく、わたしの週末は数ヶ月先まで埋まっています。

細かいことをここに書くのは営業妨害でしょうからやめますが、具体的な取り組みをきちんとやってみますよ。基礎代謝の高い若い子と違うこんなジイさんでも有効なのか分かりませんは、試してみて損はない。というかこれ、「腹を凹ませる」とか「やせる」とかいう大義名分みたいだけど、ほぼほぼ生活習慣病対策のやり方に他なりません。無理せず、大それたことを始めるのではなく、習慣づけられる方法として紹介されているから、決して特殊な特効薬の類ではないことは簡単に読み取れます。だから、やる気があれば容易(たやす)くできる。でも、容易いからこそ継続はしにくいのです。この心理はやった人にしかわからない真理なのでありますよ。

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糖尿病の死因推移

変わる日本人糖尿病患者の死因と寿命

 "愛知医科大学先進糖尿病治療学寄附講座教授の中村二郎氏は、日本糖尿病学会が1971年に開始し、10年ごとに実施している「アンケート方式による糖尿病患者の死因に関する大規模調査」の最新結果を第58回糖尿病学の進歩(2月16~17日)で報告。「患者同士の比較では糖尿病症例と非糖尿病症例で平均死亡時年齢に大差はなく、日本人一般との寿命の差も縮まった。一方で死因に占める感染症、肺がん、肝臓がんの割合は依然として糖尿病症例で高いため、引き続き対策が必要である」と述べた。"(Medical Tribune2024年03月26日公開)

先日、Medical Tribuneに出ていた日本糖尿病学会大規模調査の結果です。

・糖尿病症例における死因の1位は悪性新生物(38.9%)、2位は感染症(17.0%)、3位は血管障害(脳血管障害、虚血性心疾患、慢性腎不全)
・糖尿病に特有の糖尿病性昏睡は0.3%、低血糖昏睡は0.1%で、合わせて280例。
・血管障害は女性で多く、悪性新生物は男性で多い傾向。
・糖尿病症例と日本人一般で死因および死亡時年齢・平均寿命を比較すると、死因について1~3回目の調査では日本人一般と比べて糖尿病症例で血管障害の割合が高かったが4回目調査で逆転し(18.8% vs. 14.9%)、今回は日本人一般で14.4%、糖尿病症例で10.9%と推移した。
・慢性腎不全と虚血性心疾患は1~3回目調査時には日本人一般と比べ大幅に比率が高かったが、今回は慢性腎不全について日本人一般で2.0%、糖尿病症例で2.8%、虚血性心疾患はそれぞれ4.9%、3.5%と差が縮小。
・悪性新生物や感染症は一貫して日本人一般に比べ糖尿病症例で高い割合で推移し、特に肝臓がんと膵がんは糖尿病症例で2~3倍に上り、肺がんは糖尿病症例では増加傾向。
・糖尿病症例の平均死亡時年齢と日本人一般の平均寿命を比較すると、糖尿病症例の方が男性で7.2歳、女性で10.4歳短かったが、1回目調査からの伸び幅では両者の差は縮小していた。

要するに、糖尿病の管理がきちんとできるようになって血管障害や昏睡などの合併は著明に減らすことができているが、がんや感染症や慢性腎不全で死ぬ確率は依然として高いから、「腫瘍マーカーや腹部X線、腹部CTなどを用いた定期検診、易感染性や易重症化性を念頭に置いた日常診療を考慮すべきである」ということになるようです。

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パーテーション

一昨日のお昼から昨日のお昼まで4回目の24時間血圧計を装着しました。たぶん、今回ので合格だと思います(ちょっと拡張期70mmHg台の回数が少なかった気はするけれど)。ただ、今回は肘がとても痛痒かった。肘の上にちょうどサッカーのキャプテンマークを巻くように血圧計を巻くわけですが、でもこれまでと同じ位置に同じ強さで巻いたつもりなのに今回だけ妙に痛痒くて肘をあまり曲げられない状況だったので、何度も巻き直ししました。季節の問題(昨年12月からだからこれまでの3回は冬場だった)ではなさそう。もしやこれは、太って腕が太くなっただけ、とか? ひゃぁ!

昨日、お昼にいつものように職場の休憩室に行ったら、何かいつもと違う違和感・・・そうか、パーテーションが全部外されているんだ。今までスクール形式に並べられていた机も対面型にくっつけられている。そういえば、他の部署でもずっと臨時で昼だけ開放されていた会議室が連休明けから閉鎖する(会議室としてだけ使う)という通知がきてました。ずっと、原則『黙食』を指示されていたけれど、この配置になったということは『黙食』も任意になったと考えていいのでしょうか? たしかに昨日で新型コロナ5類移行からちょうど1年、その区切りということかしら。

仕事の性質上、職場でのマスク使用はまだまだ解除される感じではなさそうですが、かなり暑くなってきたからそろそろ患者さんたちにいつまでも強要はできなくなりそうで、解除のし時がむずかしいでしょう。まあ,個人的には昔から黙食してきた人間だからお弁当時の食事スタイルはほとんど変わらないでしょうし、人混みの中でのマスクは外す勇気はまだまだないと思いますけれど。

 

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糖尿病になりやすい食習慣

京都府立医科大学の豊國 恵麻氏らの研究グループが、日本人約13万例を対象に追跡期間10年間のコホート研究を実施した(Journal of Diabetes Investigation誌オンライン版2024年4月2日号で報告)とのこと。

それによると、
●朝食を抜く、早食いをする、夕食後に間食をする、就寝前2時間以内に夕食を食べるといった食習慣は、これまでの欧米や本邦の報告と同様に、2型糖尿病の発症リスクを有意に上昇させた。
●BMI 25kg/m2未満の集団では、早食いをする、就寝前に夕食を食べるといった食習慣が2型糖尿病の発症リスクを有意に上昇させたが、BMI 25kg/m2以上の集団ではその傾向は見られなかった。

という結論だったようです。さて、この結果をどう保健指導に活かしましょうか。云いたいことは、「やせていても早食いや夜遅い夕食は糖尿病になりやすいぞ」ということに尽きる気がしますが、いかがでしょうか。太っている人は「いかんな」と分かっていてもやっちゃう、やっちゃうから太るのかもしれないけれど、自分の行動に対する罪悪感はあるので、きっかけさえあれば行動変容は意外に容易です。でも、やせている人の”やせの大食い”とか暴飲暴食とか、食べても全然体型に変化がない人こそ、「云われてもなあ」という感じのような気がします。高い確率で起きるのならともかく、「有意差がある」と云うレベルの統計学的な差では家族歴や身近な友人の例でもない限り「自分はたぶんそれに当てはまらないだろう」と思う方が普通でしょう。だから「何か起きたら考える、たぶんそれでも間に合うだろう」と思う気がします。まあまあこっちの方が厄介です。

 

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行動変容に影響を与えうるものか?

運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が

ウォーキングなどの運動を10年間にわたり続けている人は、心血管疾患のリスクが23%低いことが、5万人超の成人を対象とした調査で明らかになった。運動を行う習慣は、ストレスに関連した脳の活動にも影響し、ストレスに対する耐性を強めるのに役立つという。とくにうつ病のある人では、心血管疾患のリスクを下げる効果は2倍になる。別の研究では、活発なウォーキングを毎日11分間行うだけでも、死亡のリスクを減少できることが明らかになった。 「ご自分ができる運動を何かみつけて、長く続けることが大切です。運動に慣れてきたら、少しずつ時間と強度を上げていくと、さらに効果を高められます」と、研究者はアドバイスしている。”(保健指導リソースガイド2024年04月22日配信)

運動がカラダに良い(強すぎない運動ならなお良い)ということは、おそらく誰もが理解し、知っています。でもこんな研究結果がここに掲載されること自体が、「分かっているけれどできない」ということを物語っているのでしょう。ただこの「23%低下」という数値が、さて如何ほどのものなのでしょう。すごい数値なのでしょうか。「しないよりした方が良い(得)」というのは分かるけれど、「万難を排してまでする価値がある」ものなのか。よく分かりませんが、多分「今こそ頑張るべき」といわしめるほどの画期的な方法ではない感じがします。わたしのような多動児にとってはこんなデータに何の価値もありませんが、さて、日頃動かない人たちを動かすだけの力がこのデータにあるかどうかなのです。具体的な数値は説得力があるようでよくわからない。実際23%はすごく高いのか、そう高くないのか、どんなものなのでしょうかね。
 

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「アンガーマネジメント」のすすめ

職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ

 ”職場や家庭で社会生活をおくるうえで、怒りの感情をコントロールするスキルや心理トレーニングである「アンガーマネジメント」は大切だ。怒りをあらわすことに得はなく、とくに職場では地位を下げることにつながりやすいことが明らかになった。
 深呼吸、リラクゼーション、マインドフルネス、瞑想、スローヨガ、筋肉の弛緩などが、怒りを抑えるのに効果的であることが示された。「怒り」を感じていることを紙に書いて捨てるだけでも、怒りが消失し、気持ちを鎮められることも分かった。”(保健指導リソースガイド2024年04月22日配信)

書いてあることはどれも蓋し正論。心当たりのある人は最後まで読んで可能なことを実践してほしいと思います。「紙に書いてそれを捨てる」という名古屋大学の研究は先日テレビでもやっていました。「ビジネスシーンなどで怒りを感じたときに、メモをとるようにして怒りを紙に書き出し、それを捨てることで、その場の怒りを抑えるといった応用が考えられます。この手法により、職場や家庭で簡単に怒りを抑制できるようになると期待されます」と。怒りを紙に書き出すだけではダメなのだそうで、それを「捨てる」という行為が効果的なのだとか。試してみてください。

ちなみに、今のわたしはほとんど怒りを爆発させることがありません。「くそ」とメラメラすることがないわけではないけれど、若い頃と違って沸点はすぐに収まってしまいます。闘争心や正義感がなくなったわけでもないと思うのですが、「世の中、そんなに思うほど悪くない」とか「ま、それもありかな」とか、一番身近な妻への怒りの時も「彼女は、むかしからこんなもんだからしょうがない」と思って自己完結するようになってしまいました。良いことなのか悪いことなのか・・・。

 

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五月病

あっという間に4月が終わりました。本当に、1月~3月以上に早かった気がします。これからは『五月病』の季節。新しい環境の元で気を張ったまま1ヶ月を過ごし、ゴールデンウイークの長い休みで気が緩んだ後に仕事に行くのが憂鬱になったり欠勤休んだりする病気として有名。今年はゴールデンウイークが大きく2つに別れているために二段階の疲れの波が押し寄せる可能性があって、ずっと長い大きな1つの波よりも注意がいるのだと今朝のテレビニュースで云っていました。

今年は3月に定年退職し、改めて再雇用となったわたしですが、おかげさまで4月が思いの外早く過ぎたせいか、まったく体調に変化はございません。もっとも、五月病の本番は来週以降でしょう。わたしの職場は人間ドックや健診の仕事ですが、職場の健診というものは年度終わりや年度初めはあまり行わないものです。だから3月、4月の受診者数は一年で一番少なくなります。代わりに、ゴールデンウイーク明けの週から一気に予約数が増えてくるはずですから、疲労感がまとめて出てくるのはこれからかもしれません。20年以上この職場で働いているので覚悟はしていますが、なんとも憂鬱な季節はこれからです。まあ、むかしのような救急医療の最前線で働くわけでなく、アフターファイブはきちんと帰れる身分ですから、さほど疲れは溜まりますまい。

今年の特徴は『五月病』ならぬ『四月病』が台頭してきていることだそうです。気温の乱高下や天候の不安定さも今年は尋常ではないから、新生活の不安に一層体調不良を誘発しそうなのは想像つきますが、新入社員が入社早々に退職願を出すご時世。なんともはやの時代でございます。

 

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