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糖尿病の死因推移

変わる日本人糖尿病患者の死因と寿命

 "愛知医科大学先進糖尿病治療学寄附講座教授の中村二郎氏は、日本糖尿病学会が1971年に開始し、10年ごとに実施している「アンケート方式による糖尿病患者の死因に関する大規模調査」の最新結果を第58回糖尿病学の進歩(2月16~17日)で報告。「患者同士の比較では糖尿病症例と非糖尿病症例で平均死亡時年齢に大差はなく、日本人一般との寿命の差も縮まった。一方で死因に占める感染症、肺がん、肝臓がんの割合は依然として糖尿病症例で高いため、引き続き対策が必要である」と述べた。"(Medical Tribune2024年03月26日公開)

先日、Medical Tribuneに出ていた日本糖尿病学会大規模調査の結果です。

・糖尿病症例における死因の1位は悪性新生物(38.9%)、2位は感染症(17.0%)、3位は血管障害(脳血管障害、虚血性心疾患、慢性腎不全)
・糖尿病に特有の糖尿病性昏睡は0.3%、低血糖昏睡は0.1%で、合わせて280例。
・血管障害は女性で多く、悪性新生物は男性で多い傾向。
・糖尿病症例と日本人一般で死因および死亡時年齢・平均寿命を比較すると、死因について1~3回目の調査では日本人一般と比べて糖尿病症例で血管障害の割合が高かったが4回目調査で逆転し(18.8% vs. 14.9%)、今回は日本人一般で14.4%、糖尿病症例で10.9%と推移した。
・慢性腎不全と虚血性心疾患は1~3回目調査時には日本人一般と比べ大幅に比率が高かったが、今回は慢性腎不全について日本人一般で2.0%、糖尿病症例で2.8%、虚血性心疾患はそれぞれ4.9%、3.5%と差が縮小。
・悪性新生物や感染症は一貫して日本人一般に比べ糖尿病症例で高い割合で推移し、特に肝臓がんと膵がんは糖尿病症例で2~3倍に上り、肺がんは糖尿病症例では増加傾向。
・糖尿病症例の平均死亡時年齢と日本人一般の平均寿命を比較すると、糖尿病症例の方が男性で7.2歳、女性で10.4歳短かったが、1回目調査からの伸び幅では両者の差は縮小していた。

要するに、糖尿病の管理がきちんとできるようになって血管障害や昏睡などの合併は著明に減らすことができているが、がんや感染症や慢性腎不全で死ぬ確率は依然として高いから、「腫瘍マーカーや腹部X線、腹部CTなどを用いた定期検診、易感染性や易重症化性を念頭に置いた日常診療を考慮すべきである」ということになるようです。

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