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無愛想

『カスハラ』という、あまりに不愉快な単語が世に出回って、いろいろな意味で、する側もされる側も翻弄させられます。

先日SNSの投稿に、レジのお嬢さんに向かって「愛想がない、笑顔がない」と文句を云っている高齢男性の話が書かれていて(その話は、後ろに並ぶ女性が「あんなしかめっ面の不機嫌な顔で睨まれて笑顔なんてできるわけないよね」みたいなことをこれみよがしに独りごと云って老人を退散させたというオチでしたが)、それを読みながら思い出したことがあります。

以前、受診者さんに検査結果の説明をしていたとき、ちょうど午後出勤してきたスタッフが後ろを通ったのですが、彼がいつもの様にニッコリと笑顔で会釈して通り過ぎました。そのとき、その受診者さんが急に怒り始めました。「あいつはなんで俺の顔を見てニヤッとわらったのか?俺のことをバカにしているのか?」と。そう云って怒って帰ってしまいました。さすがにあのときは私も驚きました。いつも受診者さんに笑顔で接していた彼はしばらく凹んでいました。人の受け取り方はそれぞれです。性格の問題だけではなく、そのときの気持ちの有り様にも大きく左右されます。そんな気はないのに相手から誤解されること、そんなことはわたしも日常茶飯事です。

くだんのレジの嬢さんも凹むかもしれませんが、まあ単なる“経験値”として受け止められると良いですね。その男性、またやってくるかもしれませんが、そのときにどんな態度を取るのか見ものです。もしかしたらそのお嬢さんのことが気に入っているのかもしれない。本当に頭に来ていたら声なんかかけないものですし。怒りの表出は、一見鬱憤の発散になる様に見えるけれどものすごいエネルギーが必要です。今度やってきたら、最大限の笑顔で見返してやって欲しいものだと思いました。

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