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2024年9月

酒で糖尿病リスク減?

肥満者は飲酒で糖尿病リスク減、日本人データ

 ”京都府立医科大学内分泌・代謝内科の高橋芙由子氏らは、40歳以上の日本人10万2,802例を対象に、飲酒量と2型糖尿病リスクの関連を調べる後ろ向きコホート研究を実施。その結果、BMI 25未満群では、1日当たりの飲酒量(純アルコール量)が39g以上の場合に糖尿病リスクが有意に29~36%上昇した。一方、BMI 25以上群では、摂取量にかかわらず飲酒は糖尿病リスクの低下と有意に関連していたとSci Rep(2024; 14: 20315)に発表した”(Medical tribune2024年9月25日公開)

 ”年齢、性、喫煙状況、運動習慣を調整して解析したところ、BMI 25未満群では、非飲酒例を基準とした場合の糖尿病リスクは39~66g未満例で有意に29%高く(ハザード比1.29、95%CI 1.16~1.45)、66g以上例では有意に36%高かった(同1.36、1.10~1.69)。反対に、BMI 25以上群では、飲酒量にかかわらず24~30%の有意な糖尿病リスク低下が示された

て・・・おいおいおいおい! こんなこと発表していいのか? ”「飲酒はアディポネクチン値やレプチン値の上昇を介してインスリン感受性を高める」と説明”されているそうなのだけど、理屈以上にインパクトの強い結果です。たとえ、”「摂取量にかかわらず飲酒の有害作用を示すエビデンスがあることから、糖尿病予防のための飲酒は推奨されない」と強調している”とまとめられたとしてもその忠告はいつの間にか無くなってしまいますよ、絶対に。というか、「飲酒がアディポネクチン値を上昇させる」というのが初耳でちょっと驚いてしまいました。飲酒がHDLコレステロール値を上昇させるというのは知っていましたけど・・・。

 

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汚物流し

家をリフォームするに当たり、一階のトイレを身障者(車椅子)対応の広さに広げる案を出しましたが、その時に便器の隣に『オストメイト対応トイレ』を併設してほしいと妻が要望を出しました。オストメイトとはストーマなどからの排泄を余儀なくされる人のことで、普通のトイレよりも背が高くて口が広い流し台のような形をしているトイレが使われます(病院の洗い場などによくあるやつです)。どうもこれと掃除道具や靴を洗う大きな底の深い流し台(調べたらこれを『スロップシンク(skシンク』というらしい)をわたしは混同していました。妻がこれを要望した理由は、室内飼いの愛犬の排泄物を拾って普通のトイレに流すのが大変だからということらしいのですが、そうだとしたらやはり『スロップシンク』ではなく『オストメイト対応トイレ』を求めているのでしょう。

実は、わたしはよく変な夢を見ます。トイレに行きたくて(通常は小便ですが大便のこともあります)あちこちトイレを探すのですが、なかなか見当たらず、やっと見つけたらこの口の広い大きなシンクしかないのです。他にないからやむを得ず隠れてこれの上で用を足そうとすると、他人が近づいてきて気づかれそうになるので何もせずに逃げていって他のトイレを探す、そんな夢です。

「なんだ、夢の中で迷うことなくあれで用を足せば良かったんだ」と云ったら、その場にいた住宅会社の担当者さんが苦笑いしてました。もっとも、夢の中では何の仕切りもない広いスペースでしたから、そこでパンツを脱ぐわけにはいかなかっただろうとは思います。とにかく夢の中ではいつも切羽詰まっているのです。だって実際に便意や尿意が迫っている状態なのですから。

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リフォーム

定年退職し、今後の終(つい)の棲家を5年後くらいまでには考えようと妻と話していたら、突然「マンション買って便利なところに引っ越すという考えはやめた」と妻が云い始め、「わたしは最後までこの家でずっと過ごすことに決めた」と。「それならもう早々にリフォームして住みやすい環境にしないと、『そのうち』とか云ってたらどんどん年取るだけで、その快適な家に住む期間が短くなるだけじゃん」と云う。まあ一理ある。ということでとんとん拍子にリフォームの方向で住宅会社と話し始めることにあいなりました。

そもそも我が家は中二階に生活の中心がある吹き抜けの家。吹き抜けをつぶして上に部屋を作ることになったものの、本当はこれから歳とともに膝が悪くなって階段上るのが大変になるから生活の場を一階に移そう!という発想からリフォームを考え始めたのに、気づけば結局中二階の生活は変わらずさらにその上に上ることになりそう。「階段の生活してきたからこんなに元気でいられるのかもね」と開き直った妻。階段の幅を少し広げてもらってゆっくり上れるようにアレンジすることにしました。

一方、洗面所や風呂まわりのリフォームで考えることは、今後介護の世界になったときに介護車がスムーズに来てもらえるスペース作り。まだ今回はそこまでできないけれどそれを見越した設計(壁を壊せばすぐに介護車が入ってこれるような)にしてもらうことにも。大きすぎる家を減築したかったのに気づけば前より部屋数増えることになりそう。でもまあ、手を入れる以上は年老いた老夫婦の家として考えねばならないというコンセプトは忘れないようにしましょう。

そして、この機会こそが断捨離のチャンス。今まで面倒で捨てなかったもろもろを全部処分してもらって、モノを今の1/3以下に減らすんじゃ! でもその端から妻はまたすぐにモノを増やしていくんだろうな。お義母さん見てると想像つくがなぁ。

 

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転倒リスク予測

思いつく動物名の数で転倒リスク予測~肝硬変患者を対象に検討

 ”肝硬変患者は、サルコペニアやフレイル、肝性脳症といった症状の影響により、転倒リスクが高いとされる(関連記事「肝硬変患者で不慮の事故が多い理由は?」)。岐阜大学大学院消化器内科学分野の三輪貴生氏らは、肝硬変患者を対象に実施した、1分間に動物の名前をできるだけ多く挙げてもらうアニマルネーミングテスト(ANT)の結果と、過去の転倒および骨折歴との関連を検討する横断研究を実施。両者には関連性が見られ、「転倒および骨折がANTで評価した神経機能と関連することが示唆された」と、Sci Rep(2024年2月21日オンライン版)に報告した。”(Medical Tribune2024年3月1日公開)

肝性脳症による神経機能低下を評価する方法として昔からこの検査方法があるそうですが、私は脳の認知機能の検査などで経験していたので『肝硬変』『転倒リスク』にこの検査方法が適用されているのにちょっと驚きました。これは肝硬変患者に限らず普通に高齢者の転倒リスクとも相関すると思っていいのでしょうか。それとも肝性脳症を想定する場合に限る評価方法なのでしょうか。そこのところにちょっと興味があります。そして、脳ドックの認知機能検査などで行う時は、『動物の名前』以外に『花の名前』という選択肢もあるのですが、肝性脳症の評価の時には『花の名前』を使うのは一般的ではないのでしょうか。ちなみに、”ANTの際に干支を参考にした対象者がいたが、干支の使用とANTの結果との関連はなかった”という結果がちょっと可笑しかった(わたしも検査を受けた時は最初にとりあえず干支を並べた経験があるからです)。

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ペットと食物アレルギー

ペットは子どもの食物アレルギーのリスクを低下させる?

ペットを飼うことで、子どもの呼吸器アレルギーの発症リスクが低下し得ることは研究で示されているが、食物アレルギーのリスクも低下する可能性があるようだ。日本の研究で、犬を飼っている家の子どもでは、卵、牛乳、ナッツ類に対して、猫を飼っている家の子どもでは、卵、小麦、大豆に対してアレルギーを発症しにくいことが明らかになった。福島県立医科大学医学部小児科学講座の岡部永生氏らによるこの研究の詳細は、「PLOS ONE」に3月29日掲載された。”(Medical Tribune 2023年4月10日公開)

かなり前に発表された記事ですが、先日ペットと健康長寿の報告を紹介したのとセットで再掲載されていたのでご紹介します。

環境省が実施している「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータから抽出した6万6,215人のデータの解析を行った結果、胎児期または幼児期初期に室内飼いの犬または猫に曝露することで3歳までに食物アレルギーを発症するリスクが低下することが明らかになった”というものです。つまり、飼っているペットのせいで子どものアレルギーリスクが高まる心配はなく、むしろリスクが抑制できるだろうとのこと。胎児期のお母さんの癒やしにも幼少期の子どもたちの癒やしにもペットは良い効果をもたらすのだという結果は、結婚後ずっと室内に大型犬を飼ってきたわたしとしては嬉しい話です。もっとも、子どもの頃から室内犬に親しんできていた妻は、今食物アレルギーに悩んでいます。特に卵アレルギーが凄まじく、食品の製造過程のどこかに卵が絡んでいるだけで強いアレルギー反応を起こすようになってきました。だから、この「子どもの食物アレルギーを抑制する」という効果は人生の中でいつまで通用する神通力なのかも研究してほしいものだと思いました。


 

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手に汗があふれる

「ちょっと誰かタオルを貸してくれませんか?」

先日プライベートゴルフをしているときに最終ホールのティーグランドで友人が急にそう云ってカートまで戻ってきました。掌が汗で滑ってドライバーを握れないのだと云うのです。「そんなに掌に汗かくんですか?」と聞いたら「僕は異常に汗かきだから」との答。わたしも子どもの頃から大汗かきなのは自他共に認めるところで、頭の中から滝のような汗がしたたり落ちてボトボト音を立てることは珍しくありません。足の裏はかく方だからゴルフが終われば靴下はびしょびしょです。脇あせも少ない方ではありません。でも掌にはあまり汗はかきません(緊張したりしたときは別ですが)。意外な顔をしていたら一緒に回っていたもう一人も「僕もすぐにびしょびしょになるから汗かきの人はみんなそうだと思ってました」と。そういえば、ラウンドする前からゴルフの手袋をカートの取っ手にかけている人って意外に多く見かけますね。

最近、テレビCMで『手掌多汗症』のことが出るようになりました。久光製薬の『みんなの手の汗サイト』というHPを見ると、手に汗をかく人が意外に多いことがわかります。なんでも、原発性手掌多汗症の患者数は19人に1人(5.3%)なのだそうです。男性が6.3%で女性が4.1%。脇汗の方が頻度は高く5.75%とのことでした。治療法もきちんと存在します。

 たしかにこれは病気の概念として知っているかいないかで全く違う人生を送ることになります。

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フェイクニュース

最近、SNSのまことしやかなフェイクニュースが急激に増えた気がします。芸能人の偽スキャンダルならまだしも、皇室関係のフェイクやら大災害のフェイクやらあるいは今なら大谷選手や家族のフェイクやら・・・あれは、そのセンセーショナルな題名で記事を開けさせるだけで目的完遂なのでしょうか。

最初は開けてみたりしましたが、すぐに嘘だとわかる(当の本人が普通にメディアに出てきたり、他の記録を見たりしたら食い違いにすぐ気づく)ので今は最初から無視します。一時期、友人が「●●さんができちゃった結婚するらしい」とか「○○さんは詐欺に遭って大損したってよ」とかしみじみ話すのを「ガセじゃろ」と否定したら「いやいや、どうも本当らしいよ」と食ってかかったりして、この人はSNSとか読む人じゃないからきっと他の信用している友人か同僚から仕入れた情報なんだろうなと悟ったりしたこともありました。単純に面白がってこういうフェイク情報を流すのだろうけれど、フェイクニュースがデマとなって社会に大きな影響を与えることは、わたしたちは熊本地震の時にいやになるほど経験しました。一方で本当は今こそ助けを求めているのにフェイクと区別がつかないから、「これは本物なの?偽物なの?」と悩んでいるうちに手遅れになったり、無視になったりすることも。

めんどくさいのは、どんどん中身が巧妙になって本当か嘘かまったく区別がつかないことが多くなったということです。基本的に自分に関係ないことや興味のないことは「嘘」と思って無視しますし、気になることは別の媒体から検索して同じような話題が出てくるか確認しない限り信用しないことにしていますが、それは公の有名人に関わることだけ。せめて災害時のガセネタ拡散だけはなんとか阻止してもらいたい。人間の良識にすがるしかないのがまどろっこしいですが・・・。

 

 

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アイマスク

アイマスクをつけて寝ると効果はある? 夜は暗くして昼寝にもご注意 肥満・高血圧・糖尿病のリスクが上昇

 ”夜にアイマスクを着用して眠ると、睡眠の質が良くなり、昼間の注意力などが高まりやすいことが明らかになった。「認知能力の向上を望むのなら、まずは夜に眠るときは電気を消すことからはじめましょう」と、研究者は述べている。また、昼寝の時間が長すぎる人は、肥満・高血圧・糖尿病のリスクが高いという調査結果も発表されている。「昼寝をとるときは15~20分くらいにして、30分を超えないようにすると効果的です」とアドバイスしている。”(保健指導リソースガイド2024年08月05日公開)

ここに書かれている内容はまあとてもありふれた常識だと思って読みましたが、それはわたしが睡眠について知識の蓄積があるからということなのかもしれません。睡眠は動物の基本中の基本。生活習慣病のほとんどが睡眠に左右されるというのも常識だし、事故やうつ病の誘因にもなることが分かっています。時々、こういう簡易にまとめられた内容を読んで記憶の中で知識の整理をするのは大変重要なことかもしれません。

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都市の緑化促進

木を植えると地域住民の健康状態が改善 自然が豊かな環境は健康にも有益

 ”木や低木を2倍以上植えた地域に住む人は、心血管疾患や糖尿病などのリスクが大幅に改善することが明らかになった。都市の緑化を推進することは、住民の睡眠の質の向上につながることが、別の大規模な調査でも明らかになっている。「木々などの自然が豊かな環境は、美しいだけでなく、地域社会の住民の健康にも有益であることが示されました」と、研究者は述べている。”(保健指導リソースガイド2024年09月02日公開)

都市の緑化を推進することは、住民の睡眠の質の向上につながることが、別の大規模な調査でも明らかになっている。都市部の緑地の多い地域に住んでいる人は、メンタルヘルスが良好である傾向があることも示された。

緑が多い方が健康的な人生を送る上では大きなメリットであることはまあ察するに余りある事実だと実感できます。さて、実は今悩んでいるのです。定年退職後、終の棲家をどうするかということを妻と話し合った結果、便利な別の場所にマンションを買って移り住むという選択肢を捨てて今の自宅をリフォームして住み続けるという結論に達し、今設計図を起こしてもらっているところなのです。自分でも驚くほどの急展開なのですが、あまり広くもないわが家の庭には大きなハナミズキと垂れ梅、玄関横にはヒメコブシの木があって、これの落ち葉搔きとか地面の草取りとかが大変だから、今後の体力を考慮して、この機会に木を伐採して地面をコンクリで埋めてしまおうかと話しているのです。管理は楽ちんなのだけど、このデータを見ているとむしろ年老いていくからこそ庭木と芝もどきをこのまま残した方が健康に良いということになるのだろうか。

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機会飲酒って?

「晩酌習慣はなくて外に出たときにだけ機会飲酒されるそうなんです」

先日受診者さんの問診項目で飲酒習慣についてカンファレンスをしているときに保健師さんがそう説明しました。「でも問診票には『毎日2~3合』って書いてあるので、ちょっと本人に確認してみなければならないと思います」と・・・。

そもそも『機会飲酒』って何? 「日常的に飲酒はしないが機会があれば飲酒をする」という意味だと認識しています。つまりは晩酌習慣があるかどうかの基準ではありますまい。この人は、「家では飲む習慣はないけれど毎日の様に会合や研修会があってその都度外食して大量飲酒している」わけだから、こういうのは『機会飲酒』とは云わないでしょう。『習慣飲酒』に匹敵するのだと思います。

「同じ量の酒を飲むとしても、家で毎晩独りでチビチビ飲むのと、外で仲間と楽しく飲むのとを比べると、家での独りのみの人の方が心筋梗塞に罹りやすい」という話を前に聞いたことがあり、「仲間と楽しく飲む」というのは大切なことなのだと説明してきてはいましたが、ただ外で飲む酒の方が独り晩酌よりも必ず深酒になりますし、宴会の席でわざわざ精進料理を肴にしたりしませんから、危険なのは外飲みなのだという印象がありました。たまに飲む酒だから”仲間との楽しい酒”を推奨しているだけですから、この受診者さんのように毎日所用で外に出てその都度大量に飲酒している人を『機会飲酒』者だと表現するのは大きな勘違いです。

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イヌを飼うと元気で長生きになる理由

犬を飼うことと全死亡リスクの低下が関連

 ”国立環境研究所の谷口優氏らは、オーストラリアの世帯・所得・労働の動向(Household, Income and Labor Dynamics in Australia;HILDA)調査コホートのデータを追跡し、ペット飼育者の属性とペットの種類、全死亡リスクとの関連を検討。「ペット非飼育者に比べ、ペット飼育者の全死亡オッズ比(OR)は有意に低かったが、ペットの種類別では犬の飼育者のみで有意な低下が観察された」とPLoS One(2024; 19: e0305546)に報告した”(Medical Tribune2024年9月4日公開)
「今回われわれは、イヌを飼うことと全死亡(の改善)の根底にある機序についても検討した。おそらくイヌを飼うことのベネフィットの1つは、身体活動レベルの維持/増加に寄与することであろう」と考察

認知症リスクを下げるのはイヌかネコか?

社会の高齢化に伴い増加し続けている認知症は高齢者の要介護認定や死亡の危険因子であり、認知機能低下の進展抑制因子の同定が待たれる。国立環境研究所の谷口優氏らは、健康に良い影響を及ぼすことが示唆されているペットの飼育に着目。ペットを飼育している高齢者の社会医学的特徴に基づく傾向スコアマッチング解析を行い、イヌやネコの飼育と認知症の関連などを検討。”(Miedical Tribune2023年10月26日公開)
約4年の追跡期間中に560人(5.0%)が認知症を発症した。解析の結果、イヌ非飼育者と比べてイヌ飼育者では認知症発症リスクが有意に低かった。一方、ネコ非飼育者と飼育者に有意差はなかった
「イヌ飼育者では、日常的なイヌの世話に伴う運動や社会参加の維持が認知機能に保護的に働いていることが示唆される」と考察

 イヌ派のわたしとしてはとても嬉しい結果なのですが、まあたしかにこの結果には合点はいきます。ネコも癒やしてくれる効果は同等か同等以上かもしれませんが、ネコは勝手に寄り添ってくれる存在で決して飼い主に依存しません。気が向いたときに寄り添いに来るのが一般的。鳥も基本的に籠の中の存在なので飼い主を動かさせる存在ではありません。その煩わしさがないからペットとして人気があるのでしょう。その点、イヌは明らかに飼い主に依存しています。定期的な散歩もしなければなりません。散歩に出ればいろんな人が声をかけてくれますし自ずとコミュニティが生まれます。その程度が他のペットと違うところなのではないかと推測します。その最たる好例が今年満90歳になったうちの義母。転んで切ったアキレス腱のケガが元で杖歩行や乳母車歩行を余儀なくされていますが、トイプーのクララちゃんの散歩に必ず近くの公園まで毎日出かけ、公園で小一時間お仲間と談笑して帰ってくるという日課。熊本地震の後にわが家の隣に引っ越してきたので地域住民との付き合い始めは私たち夫婦より遙かに遅かったのに今や地域の主の様な有名人。いつまでも若くて元気いっぱいであります。


 

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順調な成長?

遡って確認してみるとどうも今年4月下旬~5月ゴールデンウイーク辺りから上昇傾向に転じ、7月辺りから月1キロのレベルで漸増しているようです。そっと上がり週末に元に戻りを繰り返すうちに週末にも変化がなくその翌週にちょっと上乗せされる感じ。「いかんなぁ、今のうちになんとかしなければなぁ」と毎晩呟きながらも、2年前、3年前までのような一念発起の機運が湧いてきていないのが最近の状況。

あ、お察しの通り、わたしの体重のことです。記録を見ると4月の頃とほぼ4キロ違っていますが、漸増する卵や野菜の価格と同じような動向で、ヤバいヤバいと云いながら「先週より大して増えていない」という高値安定に慣れてしまうというか、「まあこんなもんかな」と甘んじてしまううちに、そっと上乗せされていく感じ。先行き不透明なこの状況、物価と同様に何とかなっているモノだから危機感がないのであります。

記録を遡って見ると、昨年1月のレベルとほぼ同じ。そうなんです。昨年春に大腸切ったり脳動脈瘤を見つけたりしたから勝手に減っていたものが戻っただけ!と思うと気合いが乗らない。5年前は久々にスーツを着たら全く入らずに数ヶ月後の学会に行くために必死でやせたけど今やスーツを着る機会がほぼない。学会はいまだにオンラインかオンデマンドで参加できるからスーツなんか要らない。うーん、わたしを突き動かすモノが何もないから、物価上昇と同じように順調(?)にこっそりと、でも確実に上がっていっております。はい。

 

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「ずっといてくださいよ」

先日、台風の時の家の雨漏りの件で住宅会社の担当者さんに連絡してきてもらいましたが、彼はいつからうちの担当になったのかしら。家を建てたときはまだまだ若かった記憶がありますが、多分その頃は我が家の担当者ではありません。というか私たち夫婦が勝手に担当者だと決めつけて、何か家の不具合があると妻が直接彼の携帯番号にメッセージを送ってしまいます。すると彼がすぐにレスポンスしてくれるという感じの昨今です。だから、会社のホームページの問い合わせ欄に書いたり電話したりということが一度もありません。

「●●さんに直接連絡してしまってすいません」
「いえいえ、それで大丈夫ですよ。いつでも連絡ください」
「●●さんはたしか定年になった後、嘱託で働いておられるんでしたよね」
「はい。一年ずつの再雇用契約です」
「まだ当分勤務されるんでしょ?」
「どうしようかなーと思っているのですが、とりあえず65歳までは働こうかなと思ってます」
「あれ?いま何歳でしたっけ? 62歳くらい?」
「いえ、64歳です」
「じゃあ、あと1年じゃないですか! ●●さんが居なくなると何かと困りますよ。もっと長く働いていてくださいよ」

そんな会話をしながら、自分のことを思い出しました。長年担当させていただいている会員さんやご指名で毎年結果説明をしている受診者さんからよく聞かれるのです。
「先生は、まだまだずっといるんでしょ?」
「いやーどうですかね。定年退職したから今は継続雇用なんで、1年ごと新規契約になりますからね。いつクビになるかわかりませんもんね」
「大丈夫ですよ。とにかくずっといてくださいよ!」

あのときの受診者さんの心境が、今、担当の●●さんに対する心境と同じなのでしょう。信頼していた存在が消える不安やそのあとに新しい人間関係を作れるかどうかの不安。できたらこのままの関係でいてほしいと願う気持ちなんですね。有り難きことです。

 

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消化試合

先日、配信されてきた医療系メルマガに『人生の消化試合の過ごし方』という題名があって、なんか心に引っかかりました。パスワードを忘れたので開けることもなく、内容を読んだわけではありませんが、「これボクのことか?」と思った次第です。

まさしく今のわたし。定年退職してそのまま継続雇用。給料が減っただけでほぼほぼ現役時代と同じような仕事を続けていますが、正直なところ医者としては”消化試合”そのものです。職場の管理職としての仕事は全て返上させてもらえましたしオンコール業務も免除してくれました。専門医資格継続のために学会に行ったりオンラインで勉強したりすることはあっても、そのときの新しい知識が今後を左右するわけでもないから、単位取得手続きが済んだらすぐに忘れてしまうし、講演をするわけでもないからスライドにすることもない。これから新しい分野に乗り出そうという野心があるわけでもない。とりあえず何の不自由もないし何のしがらみもないから、仕事から帰ってきてワンの散歩を済ませたら晩酌して転た寝して風呂に入って寝る。「何かしなきゃいけないことがあったんじゃないか?」と現役時代にいつもTo Doに追い回されていたのがちょっと懐かしいけれど、今は何もしなくても何も困らない日々なのであります。

せっかく空いた時間ができたのだから何か趣味に使ったらいいじゃない?と妻は云うけれど、そもそも「草取りと掃除が趣味」というわたしなのに、そのどっちもが面倒臭くなりつつある今日この頃なのでありまして、消化試合そのものも消化できていないであろう日々が続いています。となると、このメルマガの中になんて書いてあるのか?有効な消化試合の過ごし方は何なのか、興味はあるといえばあるのですが、さてさてパスワードはたぶん思い出せないsじ、新規に登録し直しするのも面倒臭いと来たもんだ。

 

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病院倒産

先日配信されてきた医療ニュースに、隣の県にある循環器病院の倒産の情報がアップされていたのを見て驚きました。わたしがかつて一緒に勤務していたドクターが高い志を持って開設した病院だったからです。そのドクターはわたしの高校の先輩でもあり、ちょっとクセの強い先生で、制限時速30キロの小さな道をスポーツカーで100キロ近い速度で駆け抜けるような破天荒さでしたが、わたしもわたしの妻もとても可愛がってもらいました。わたしたちが結婚した年に病院開設。夫婦でプレオープンの時に遠路はるばる高速を飛ばして挨拶に行ったことを思い出します。たしか、あそこに行ったのは後にも先にもあの時だけだった気がします。

その地域には珍しい先進的な病院だったこともあり、その後もますますご活躍されていて、年に一度わたしの勤務する健診施設で人間ドックを受けにきてくれる時だけお会いするくらい。それもある年を境に来られなくなり、その翌年に喪中のハガキで亡くなられたことを知りました。持病の悪化だったか不治の病を起こしたのか失礼ながら忘れてしまいましたが、たしか奥様の方が病弱だったから、時々「奥様はお元気なのかしら」と妻がつぶやくことがありました。残念ながらその後の年賀状の行き来もなくなって先生を知る人もわたしの周りにはいなくなってしまって、すっかり無沙汰をしておりました。

記事によれば、先生が亡くなられた後を他のドクターが引き継がれたものの、他の病院との差別化が薄れてきた上にコロナ禍が上乗せされて徐々に経営悪化、今年初めに就任された現理事長の元、倒産が決まったとのことでした。病院経営自体は他の団体が引き継げそうだということで胸を撫で下ろしているところですが、時代の流れだとはいえ、こういう形で現状を知るのは悲しく寂しいことです。

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柔軟性と寿命

体の柔軟性低下は死亡リスク、女性では4.8倍

 ”体の柔軟性は身体的健康の維持に重要と考えられており、年齢を問わず運動指導に盛り込まれることが多い。しかし、柔軟性と生命予後の関係についてのデータは限られている。ブラジル・Clínica de Medicina do Exercício(CLINIMEX)のClaudio Gil S. Araújo氏らは、中年男女約3,100人を対象に、複数関節の総合スコアで評価した柔軟性と自然死および非COVID-19関連死との関連を評価する前向きコホート研究を実施。男女とも柔軟性の10分位範囲における最高群と比べ、最低群では死亡リスクが有意に高く、女性では4.8倍に上ったことをScands J Med Sci Sport(2024 34: e14708)に報告した。”(Medical Tribune2024年9月5日公開)

昔、前屈して両手が床に届くというパフォーマンスをして、如何に自分が若くて元気かをアピールしていた某都知事がいましたが、あのときのは「歳を取ったら筋肉がなくなるから曲がるのであって、それは年寄りであることを証明したようなものだ」と揶揄されたものですが、あれは一応理にはかなっていたということですかね。わたしの身体は本当に硬い。一時期少林拳を教わっていた頃に無理矢理押さえ込まれたりしていたので少しだけ柔らかくなった気がしましたが、今は前よりも硬い自信があります。毎日1万歩以上歩いて毎日スクワットをしていても、そんなことではおそらく柔軟性に何の影響も与えますまい。

そうか、これから健康長寿を目指すなら、妻のやっているヨガにこっそり参加するべきなのかな。

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咳が出るんです

最近、気づけばいつも喉がモゾモゾして、痰の絡まない乾いた咳が年中出ます。このご時世だからコロナでもインフルでもマイコプラズマでも何でもありえますが、さすがに何ヶ月も変わらず断続的に続いているし微熱すら出ないのでたぶんそんな感染症ではないと思います。

わたしの中では、食道裂孔ヘルニアに伴う軽い逆流性食道炎所見かあるいは軽度の誤嚥か(それはそれで怖いけれど)などと自己判断しているのですが、決め手に欠けます。ひどくもならない代わりにすっきり治りもしない。

ふと、もしや居間にあるエアコンから時々吹き出される変な黒いゴミの塊(エアコン内に蔓延るカビ類とか)を吸い込んでいるせいだとか、最近飼い始めたオカメインコがいつもバタバタ飛び跳ねてあちこちに餌やら羽やらまき散らすのでそれを吸い込んだせいだとか、そんな特殊な肺臓炎ではないかと気にしているところです。もちろん肺腺がんということもあり得ます。呼吸器内科を受診すればいいのでしょうが、大した症状でもないので「それで仕事を休むのもなぁ」と二の足を踏んでいます。もうすぐ職員健診が始まるから、その時にオプションで肺CT検査を付け足して、それで確認したら分かるんじゃないかしらね。

そういうのを「『医者の不養生』て云うんだよ!」と云われそうです。

 

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マスクの裏側

現在、人間ドック受診者の方々には「検査中のマスク装着は任意」ということになっています(医療者はまだ皆がマスク必須ですが)。マスクをしている人と外している人の比率はほぼ半々といったところでしょうか。

久しぶりにマスクを外した人を診察したり結果説明したりすると、その違和感にまだまだ今ひとつ慣れることができません。マスクが無いとこんなにも人の表情はこんなにも鮮明になるモノなのですね。総じて、皆さんこわばった顔つきで診察室に入ってこられます。まるで怒っているような不機嫌そうな表情に感じられて緊張してしまいます。むかしもそうだったのでしょうが、まだ慣れません。

それでも、結果説明しているうちにお互いの緊張が解けるのか、診察室を出て行く頃には人間的な柔和は顔に変わってくれてホッとします。うん、これが自然な本来あるべき社会なのだなと認識し直している今日この頃です。

 

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続・気合いは入れられるか

朝、ロッカールームですれ違った男性スタッフ。
「おはようございます」とあいさつをしてチラッと彼を眺めると、どこか違和感。
「あれ、彼はあんなにお腹出てたっけ?」
もともと大きめになっていたお腹ではあったけれどあんなに飛び出てたっけ?と驚きました。そして思いました。
「あのお腹に比べれば、自分の最近出てきた腹なんてまだまだかわいいモノだ」と。

そして次の瞬間、2つの思いが交錯するのです。
「そんなに焦らなくても全然大丈夫。この腹は全然普通だよ」という楽観の思いと、
「あんなお腹にならない様に、マジで今頑張らないといかん!」という戒めの思い。

彼のお腹は内臓脂肪蓄積(メタボ)パターンで、私のお腹が皮下脂肪蓄積(浮き輪)パターンだということは分かっています。だから、わたしが彼のようなお腹になるのはかなりの年季が要るのだろうと思いますから、一概に比較してはいけないのだろう事は分かっていますが・・・人間、楽を求めてさまよう生きものです。ここはココロをオニにして後者の思いを貫かねばならないのでしょうが・・・このタイミングで、悪いモノを見てしまったなあと思うのであります。

 

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気合いは入れられるのか

先週は台風10号直撃ということで木金と2日間の臨時休業になったせいで、そのまま強制有休を取らされて家で自粛しておりました。29日の午前中は確かに大型台風接近中の緊迫感ある暴風雨でしたがその後は「本当に今最接近中なの?」と思うほどの静けさで、幸い何の被害もなく終わりました。ただ、そんな状況で「歩数を増やすために散歩してくる」なんてことは何かあったら「どうしてこんな台風下で?」と批判される行動だからできず、ただただ巣ごもり状態。おかげで29日が3689歩、30日が1215歩という屈辱的な歩数に終わりました。

さて、そんな末端の分析はいいとして、ここ数ヶ月で5キロは太ったであろうこのわたしのカラダをどうしたものでしょう。「こりゃいかん、なんとかしなければ」と何度も口にし、何度もブログに書き、少しの食事注意と運動量増加を意識はするモノのもちろん大差なし。むかしは、「こりゃいかん」と思ったら、『腹が減ってフラフラになるまで間食しない』とか毎日『SNSで調べた腹筋運動のやり方を毎日続ける』とかストイックに頑張ったモノです。それだけ、体型維持に執着できたのです。あれだけ高血圧管理がいい加減だったころにあれだけハードなことをやっていたのです。大量に服薬量を増やして完璧なる血圧管理ができている今の方がむしろ何しても大丈夫だと思うのに・・・散歩以外で大汗かくこと自体がまったくなくなりました。この歳でアスリートでもないのにふうふう云って腹筋運動すると危険かもしれない、などと逃げ腰になる。食事も夕方フラフラし始めると「熱中症じゃないか?」と無理矢理不安になって食ってしまう。 

高齢、高度動脈硬化、熱中症・・・これ考え始めたら、意外に何もできないものです。数ヶ月前に比べたらみっともないお腹だけど、最近顔も丸くなったけれど、客観的に見たら年相応の体格だともいえる状況だから、「究極、今が維持できたらそれでいいんじゃないのか?」という体内の悪魔が囁いております。「しようと思ったら今すぐにでもできるんだけどなぁ」などと、どこぞの”やらない”おじさんみたいなことを呟きながら、今夜もビールを開けるのであります。

 

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