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2024年9月

消化試合

先日、配信されてきた医療系メルマガに『人生の消化試合の過ごし方』という題名があって、なんか心に引っかかりました。パスワードを忘れたので開けることもなく、内容を読んだわけではありませんが、「これボクのことか?」と思った次第です。

まさしく今のわたし。定年退職してそのまま継続雇用。給料が減っただけでほぼほぼ現役時代と同じような仕事を続けていますが、正直なところ医者としては”消化試合”そのものです。職場の管理職としての仕事は全て返上させてもらえましたしオンコール業務も免除してくれました。専門医資格継続のために学会に行ったりオンラインで勉強したりすることはあっても、そのときの新しい知識が今後を左右するわけでもないから、単位取得手続きが済んだらすぐに忘れてしまうし、講演をするわけでもないからスライドにすることもない。これから新しい分野に乗り出そうという野心があるわけでもない。とりあえず何の不自由もないし何のしがらみもないから、仕事から帰ってきてワンの散歩を済ませたら晩酌して転た寝して風呂に入って寝る。「何かしなきゃいけないことがあったんじゃないか?」と現役時代にいつもTo Doに追い回されていたのがちょっと懐かしいけれど、今は何もしなくても何も困らない日々なのであります。

せっかく空いた時間ができたのだから何か趣味に使ったらいいじゃない?と妻は云うけれど、そもそも「草取りと掃除が趣味」というわたしなのに、そのどっちもが面倒臭くなりつつある今日この頃なのでありまして、消化試合そのものも消化できていないであろう日々が続いています。となると、このメルマガの中になんて書いてあるのか?有効な消化試合の過ごし方は何なのか、興味はあるといえばあるのですが、さてさてパスワードはたぶん思い出せないsじ、新規に登録し直しするのも面倒臭いと来たもんだ。

 

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病院倒産

先日配信されてきた医療ニュースに、隣の県にある循環器病院の倒産の情報がアップされていたのを見て驚きました。わたしがかつて一緒に勤務していたドクターが高い志を持って開設した病院だったからです。そのドクターはわたしの高校の先輩でもあり、ちょっとクセの強い先生で、制限時速30キロの小さな道をスポーツカーで100キロ近い速度で駆け抜けるような破天荒さでしたが、わたしもわたしの妻もとても可愛がってもらいました。わたしたちが結婚した年に病院開設。夫婦でプレオープンの時に遠路はるばる高速を飛ばして挨拶に行ったことを思い出します。たしか、あそこに行ったのは後にも先にもあの時だけだった気がします。

その地域には珍しい先進的な病院だったこともあり、その後もますますご活躍されていて、年に一度わたしの勤務する健診施設で人間ドックを受けにきてくれる時だけお会いするくらい。それもある年を境に来られなくなり、その翌年に喪中のハガキで亡くなられたことを知りました。持病の悪化だったか不治の病を起こしたのか失礼ながら忘れてしまいましたが、たしか奥様の方が病弱だったから、時々「奥様はお元気なのかしら」と妻がつぶやくことがありました。残念ながらその後の年賀状の行き来もなくなって先生を知る人もわたしの周りにはいなくなってしまって、すっかり無沙汰をしておりました。

記事によれば、先生が亡くなられた後を他のドクターが引き継がれたものの、他の病院との差別化が薄れてきた上にコロナ禍が上乗せされて徐々に経営悪化、今年初めに就任された現理事長の元、倒産が決まったとのことでした。病院経営自体は他の団体が引き継げそうだということで胸を撫で下ろしているところですが、時代の流れだとはいえ、こういう形で現状を知るのは悲しく寂しいことです。

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柔軟性と寿命

体の柔軟性低下は死亡リスク、女性では4.8倍

 ”体の柔軟性は身体的健康の維持に重要と考えられており、年齢を問わず運動指導に盛り込まれることが多い。しかし、柔軟性と生命予後の関係についてのデータは限られている。ブラジル・Clínica de Medicina do Exercício(CLINIMEX)のClaudio Gil S. Araújo氏らは、中年男女約3,100人を対象に、複数関節の総合スコアで評価した柔軟性と自然死および非COVID-19関連死との関連を評価する前向きコホート研究を実施。男女とも柔軟性の10分位範囲における最高群と比べ、最低群では死亡リスクが有意に高く、女性では4.8倍に上ったことをScands J Med Sci Sport(2024 34: e14708)に報告した。”(Medical Tribune2024年9月5日公開)

昔、前屈して両手が床に届くというパフォーマンスをして、如何に自分が若くて元気かをアピールしていた某都知事がいましたが、あのときのは「歳を取ったら筋肉がなくなるから曲がるのであって、それは年寄りであることを証明したようなものだ」と揶揄されたものですが、あれは一応理にはかなっていたということですかね。わたしの身体は本当に硬い。一時期少林拳を教わっていた頃に無理矢理押さえ込まれたりしていたので少しだけ柔らかくなった気がしましたが、今は前よりも硬い自信があります。毎日1万歩以上歩いて毎日スクワットをしていても、そんなことではおそらく柔軟性に何の影響も与えますまい。

そうか、これから健康長寿を目指すなら、妻のやっているヨガにこっそり参加するべきなのかな。

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咳が出るんです

最近、気づけばいつも喉がモゾモゾして、痰の絡まない乾いた咳が年中出ます。このご時世だからコロナでもインフルでもマイコプラズマでも何でもありえますが、さすがに何ヶ月も変わらず断続的に続いているし微熱すら出ないのでたぶんそんな感染症ではないと思います。

わたしの中では、食道裂孔ヘルニアに伴う軽い逆流性食道炎所見かあるいは軽度の誤嚥か(それはそれで怖いけれど)などと自己判断しているのですが、決め手に欠けます。ひどくもならない代わりにすっきり治りもしない。

ふと、もしや居間にあるエアコンから時々吹き出される変な黒いゴミの塊(エアコン内に蔓延るカビ類とか)を吸い込んでいるせいだとか、最近飼い始めたオカメインコがいつもバタバタ飛び跳ねてあちこちに餌やら羽やらまき散らすのでそれを吸い込んだせいだとか、そんな特殊な肺臓炎ではないかと気にしているところです。もちろん肺腺がんということもあり得ます。呼吸器内科を受診すればいいのでしょうが、大した症状でもないので「それで仕事を休むのもなぁ」と二の足を踏んでいます。もうすぐ職員健診が始まるから、その時にオプションで肺CT検査を付け足して、それで確認したら分かるんじゃないかしらね。

そういうのを「『医者の不養生』て云うんだよ!」と云われそうです。

 

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マスクの裏側

現在、人間ドック受診者の方々には「検査中のマスク装着は任意」ということになっています(医療者はまだ皆がマスク必須ですが)。マスクをしている人と外している人の比率はほぼ半々といったところでしょうか。

久しぶりにマスクを外した人を診察したり結果説明したりすると、その違和感にまだまだ今ひとつ慣れることができません。マスクが無いとこんなにも人の表情はこんなにも鮮明になるモノなのですね。総じて、皆さんこわばった顔つきで診察室に入ってこられます。まるで怒っているような不機嫌そうな表情に感じられて緊張してしまいます。むかしもそうだったのでしょうが、まだ慣れません。

それでも、結果説明しているうちにお互いの緊張が解けるのか、診察室を出て行く頃には人間的な柔和は顔に変わってくれてホッとします。うん、これが自然な本来あるべき社会なのだなと認識し直している今日この頃です。

 

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続・気合いは入れられるか

朝、ロッカールームですれ違った男性スタッフ。
「おはようございます」とあいさつをしてチラッと彼を眺めると、どこか違和感。
「あれ、彼はあんなにお腹出てたっけ?」
もともと大きめになっていたお腹ではあったけれどあんなに飛び出てたっけ?と驚きました。そして思いました。
「あのお腹に比べれば、自分の最近出てきた腹なんてまだまだかわいいモノだ」と。

そして次の瞬間、2つの思いが交錯するのです。
「そんなに焦らなくても全然大丈夫。この腹は全然普通だよ」という楽観の思いと、
「あんなお腹にならない様に、マジで今頑張らないといかん!」という戒めの思い。

彼のお腹は内臓脂肪蓄積(メタボ)パターンで、私のお腹が皮下脂肪蓄積(浮き輪)パターンだということは分かっています。だから、わたしが彼のようなお腹になるのはかなりの年季が要るのだろうと思いますから、一概に比較してはいけないのだろう事は分かっていますが・・・人間、楽を求めてさまよう生きものです。ここはココロをオニにして後者の思いを貫かねばならないのでしょうが・・・このタイミングで、悪いモノを見てしまったなあと思うのであります。

 

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気合いは入れられるのか

先週は台風10号直撃ということで木金と2日間の臨時休業になったせいで、そのまま強制有休を取らされて家で自粛しておりました。29日の午前中は確かに大型台風接近中の緊迫感ある暴風雨でしたがその後は「本当に今最接近中なの?」と思うほどの静けさで、幸い何の被害もなく終わりました。ただ、そんな状況で「歩数を増やすために散歩してくる」なんてことは何かあったら「どうしてこんな台風下で?」と批判される行動だからできず、ただただ巣ごもり状態。おかげで29日が3689歩、30日が1215歩という屈辱的な歩数に終わりました。

さて、そんな末端の分析はいいとして、ここ数ヶ月で5キロは太ったであろうこのわたしのカラダをどうしたものでしょう。「こりゃいかん、なんとかしなければ」と何度も口にし、何度もブログに書き、少しの食事注意と運動量増加を意識はするモノのもちろん大差なし。むかしは、「こりゃいかん」と思ったら、『腹が減ってフラフラになるまで間食しない』とか毎日『SNSで調べた腹筋運動のやり方を毎日続ける』とかストイックに頑張ったモノです。それだけ、体型維持に執着できたのです。あれだけ高血圧管理がいい加減だったころにあれだけハードなことをやっていたのです。大量に服薬量を増やして完璧なる血圧管理ができている今の方がむしろ何しても大丈夫だと思うのに・・・散歩以外で大汗かくこと自体がまったくなくなりました。この歳でアスリートでもないのにふうふう云って腹筋運動すると危険かもしれない、などと逃げ腰になる。食事も夕方フラフラし始めると「熱中症じゃないか?」と無理矢理不安になって食ってしまう。 

高齢、高度動脈硬化、熱中症・・・これ考え始めたら、意外に何もできないものです。数ヶ月前に比べたらみっともないお腹だけど、最近顔も丸くなったけれど、客観的に見たら年相応の体格だともいえる状況だから、「究極、今が維持できたらそれでいいんじゃないのか?」という体内の悪魔が囁いております。「しようと思ったら今すぐにでもできるんだけどなぁ」などと、どこぞの”やらない”おじさんみたいなことを呟きながら、今夜もビールを開けるのであります。

 

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