機会飲酒って?
「晩酌習慣はなくて外に出たときにだけ機会飲酒されるそうなんです」
先日受診者さんの問診項目で飲酒習慣についてカンファレンスをしているときに保健師さんがそう説明しました。「でも問診票には『毎日2~3合』って書いてあるので、ちょっと本人に確認してみなければならないと思います」と・・・。
そもそも『機会飲酒』って何? 「日常的に飲酒はしないが機会があれば飲酒をする」という意味だと認識しています。つまりは晩酌習慣があるかどうかの基準ではありますまい。この人は、「家では飲む習慣はないけれど毎日の様に会合や研修会があってその都度外食して大量飲酒している」わけだから、こういうのは『機会飲酒』とは云わないでしょう。『習慣飲酒』に匹敵するのだと思います。
「同じ量の酒を飲むとしても、家で毎晩独りでチビチビ飲むのと、外で仲間と楽しく飲むのとを比べると、家での独りのみの人の方が心筋梗塞に罹りやすい」という話を前に聞いたことがあり、「仲間と楽しく飲む」というのは大切なことなのだと説明してきてはいましたが、ただ外で飲む酒の方が独り晩酌よりも必ず深酒になりますし、宴会の席でわざわざ精進料理を肴にしたりしませんから、危険なのは外飲みなのだという印象がありました。たまに飲む酒だから”仲間との楽しい酒”を推奨しているだけですから、この受診者さんのように毎日所用で外に出てその都度大量に飲酒している人を『機会飲酒』者だと表現するのは大きな勘違いです。
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