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病院倒産

先日配信されてきた医療ニュースに、隣の県にある循環器病院の倒産の情報がアップされていたのを見て驚きました。わたしがかつて一緒に勤務していたドクターが高い志を持って開設した病院だったからです。そのドクターはわたしの高校の先輩でもあり、ちょっとクセの強い先生で、制限時速30キロの小さな道をスポーツカーで100キロ近い速度で駆け抜けるような破天荒さでしたが、わたしもわたしの妻もとても可愛がってもらいました。わたしたちが結婚した年に病院開設。夫婦でプレオープンの時に遠路はるばる高速を飛ばして挨拶に行ったことを思い出します。たしか、あそこに行ったのは後にも先にもあの時だけだった気がします。

その地域には珍しい先進的な病院だったこともあり、その後もますますご活躍されていて、年に一度わたしの勤務する健診施設で人間ドックを受けにきてくれる時だけお会いするくらい。それもある年を境に来られなくなり、その翌年に喪中のハガキで亡くなられたことを知りました。持病の悪化だったか不治の病を起こしたのか失礼ながら忘れてしまいましたが、たしか奥様の方が病弱だったから、時々「奥様はお元気なのかしら」と妻がつぶやくことがありました。残念ながらその後の年賀状の行き来もなくなって先生を知る人もわたしの周りにはいなくなってしまって、すっかり無沙汰をしておりました。

記事によれば、先生が亡くなられた後を他のドクターが引き継がれたものの、他の病院との差別化が薄れてきた上にコロナ禍が上乗せされて徐々に経営悪化、今年初めに就任された現理事長の元、倒産が決まったとのことでした。病院経営自体は他の団体が引き継げそうだということで胸を撫で下ろしているところですが、時代の流れだとはいえ、こういう形で現状を知るのは悲しく寂しいことです。

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