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2024年10月

動画サイト

今回の衆議院選挙の投票率は想像以上に低く、「政治家の下世話な茶番の付き合いなんかしてやらないぞ」と云わんばかりでしたが、若者を投票に行かせるために(というか、選挙をもっと身近なものに感じさせるために)大学生などがわかりやすい動画を作ってネット配信しているニュースが流れていました。すばらしいことだなと感じました。

ただ、動画サイトというのは本当に恐ろしいもので魑魅魍魎が蠢いている世界だと思います。こうやってマジメに情報発信をするために頑張っている若者たちの動画と、意図的にゆがんだ情報を流して洗脳させる動画(まるでこの政党の意見が正解で他の政党の意見が間違っているかのような内容に作り上げているもの)とを区別するのは容易なことではありません。医療情報なども同じで、意図的に洗脳させようとする内容の方が妙に説得力があってすぐに拡散されたりします。まっとうな内容ほど陳腐で面白くないのでなかなか見てくれませんし、見ても返って信用し辛かったりします。

くだんの若者たちの動画配信も、まずは見てくれないことには始まりませんが、内容が正しいか正しくないかの見極め自体がむずかしくて面倒くさく、結局はそうセンセーショナルな普及しないまま終わってしまうだろうなと思うと何だか寂しい限りです。

ネット世界は簡単だけど本当に恐ろしもの。そしてまことしやかに拡散されてしまうともはや何が真実か全く分からなくなるもの。アメリカ大統領選や諸外国の戦争当事者の情報合戦など、それによって世界が大きく変わってしまうものもたくさんありますが、『真実を見極める目』などという方法そのものが現実には存在はしない社会なのだと自覚しています。

 

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脳卒中の脅威

脳卒中の脅威が世界中で拡大 脳卒中の新規発症は30年間で70%増

世界的に肥満・糖尿病・高血圧などが増えており、脳卒中を新たに発症した人は30年間で70%増えたことが明らかになった。脳卒中で死亡した人の数も44%増え、脳卒中がもたらす障害や損失も32%増えている。脳卒中の脅威は世界中で拡大している。
 「良い知らせもあります。脳卒中は、予防と治療が可能であることです。米国では、毎年50万人以上が脳卒中を発症していますが、その最大80%は予防が可能と考えられています」と、研究者は指摘している。米国脳卒中学会(ASA)は、脳卒中の一次予防を推進するために、健康的な生活スタイルを8項目にまとめた「ライフ エッセンシャル 8」も推奨している。”(保健指導リソースガイド2024年10月28日公開)

現在、脳卒中は虚血性心疾患と新型コロナに次ぐ、世界で3番目に多い死亡原因なのだそうです。それを防ぐために私たち予防医療の従事者たちは遠い昔から東奔西走しているわけなので、こういう結果を見るとこの上なく落胆してしまいます。

脳卒中のリスクを高めるものが、▼肥満(リスクが88%増)、▼気候変動による高温など(72%増)、▼糖尿病(32%増)、▼糖質が多く含まれる高カロリーの食品や飲料(23%増)、▼運動不足(11%増)、▼高血圧(7%増)、▼コレステロールを下げる不飽和脂肪酸の少ない食事(5%増)だということも分かるし、それを予防する「ライフ エッセンシャル 8」(▼食事の改善、▼運動不足の解消、▼体重の適正な管理、▼コレステロールを下げる、▼血圧値を下げる、▼血糖値を下げる、▼睡眠の質の向上、▼禁煙という、健康的な生活スタイルを8項目)もよく分かる。そんなこと、もう20年以上前から云っていることだから。でもみんなできないのさ。できないから、増悪するのさ。分かっているのさ。

よほど、脳卒中の3つの症状[顔(Face)の麻痺・腕(Arm)の麻痺・言葉(Speech)の障害]を簡潔にまとめた「FAST」(ファスト)を知って、いつも実践する方が現実的なのかもしれません(TはTime:発症時刻)。
 

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レプリコンの逆襲?

レプリコンワクチンvs.従来のmRNAワクチン、接種1年後の免疫原性を比較

追加接種としての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する次世代mRNAワクチン(レプリコンワクチン)ARCT-154は、従来のmRNAワクチンであるBNT162b2と比較して優れた初期免疫応答を示し、接種後12ヵ月まで持続することが、50歳以上を含む日本人成人において確認された。The Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2024年10月7日号CORRESPONDENCEに掲載の報告より”(Care Net2024/10/25公開)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する新しいワクチンとして今世界中で話題になっているレプリコン。その特異性から、どこからともなく話題になってむしろ医療人より一般の方から広がってきた噂。このワクチンの安全性が確立しておらず、その毒性が接種者の呼気から吐き出されて何の関係もない周りの人間にまで伝搬するというもの。安全性が確立していないから諸外国では承認されていないのに日本は承認され10月以降普通に摂取できる状況にあることから、一層世間では混乱を招いている模様。先日虚血性心疾患で急逝した俳優さんが倒れる前日のこのワクチンを打ったという話すらSNSを通して拡散されています。

こんな中、先日は明治製薬がこのウイルスの安全性について否定的情報を流して「日本人が実験台になっている」と吹聴する某政治家を相手取って名誉毀損の訴えを起こしたと聞きます。そしてこうして医療雑誌にレプリコンの圧倒的有用性を示す研究成果を発表し始めてきました。日本の3学会もこのワクチンの有用性と周囲に感染を広めることなどないと否定した上で、「むしろ高齢者には強く推奨する」と宣言したそうです。

真偽のほどはよく存じませんが、おそらくわたしとわたしの家族は使わないと思います。わざわざ不安な思いをしてまでこれを使わなくとも、既存のワクチンでそう遜色はないように思われるから。というか、その前にワクチンそのものも無理して打たないだろうと思います。新しいウイルスに対する新しい概念の医薬品の攻防は長い人類の歴史の中ではこれまでもたくさんありました。真実とは別にいろいろな賛否両論が生まれそのうち歴史が何らかの形で落ち着かせることでしょう。それまでの間、わたしたちは標準予防策を講じながら生き延びていきましょう。
 

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カレーライス

久しぶりにしゃっくりが出始めてなかなか止まりませんでした。やむを得ず市販の胃散を飲んで安静にすることで何とか落ち着きました。
「これ、夕食のカレーのせいかな?」
「多分そうだと思う。私が急に激しい下痢になったのも多分あのカレーのせいだと思う」
妻も同意しました。普通の市販のルーでカレーを作ると胃もたれしたりしゃっくりが出たりあるいはお腹を壊したり、いつの頃からか私たち夫婦の胃腸は市販のルーの脂質についていけなくなりまして、いつもは妻がカロリーハーフや脂質の少ないのカレー粉を2種類ブレンドして作ってくれます。でもこの日の夕食は、いつも利用する宅食会社のメニューだったのです。味に違いはなかったもののやはり私たちの胃腸には強かったのでしょう。

ここでふと疑問を感じました。家で食べるとこんなにテキメンなのに、外で食べるとこうはなりません。ゴルフ場で食べる昼食、割と値段が安いからよくビーフカレーを注文するのですが、それを食っても後半のプレーに支障をきたすことはまずありません。昨日もそうでした。何故なのでしょう? 家庭用のカレーとレストランのカレーでは使われる脂質の量が違うのでしょうか?それとも含まれる香辛料の質が違うのでしょうか? 昔は場末の食堂などに入ってカレーを注文すると「ボンカレーをこっそり温めて出しただろ?」と思うようなカレーが出ることがありましたが、あんなのを今の私が食べたら返って胃もたれとかするのでしょうか? あ、いや待てよ。今でもレトルトカレーで胃もたれすることあまり無い気がするなー。

なにしろ子どもの頃から無類のカレー好きのわたし。カレーが夕食の日は必ず皿で2杯は食べ、翌朝も一杯食べてから登校(出勤)するのが常でしたから、胃が耐えられるかどうかは極めて大切な問題なのです。

 

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年寄り扱い

ここ2週間くらい、妙にふくらはぎが疲れやすく、いつもは普通に上れる4階の診察室までの階段がとてもきつく感じられ、3階以降はフウフウいいながら上がっています。朝起きると(あるいは夜中にトイレに起きると)いつになく足が痛く、特に足底が痛くて歩き始めに難渋するようにもなりました。足底筋板を傷めているのだと推測します。おそらく2週間くらい前のゴルフか草刈りか何かの運動量が多すぎたのだとは思いますが、それが一向に回復しないどころかどんどん悪くなっている気さえします。気づけば最近は自宅の生活の中心である中二階まで上がる階段も駆け上がることができなくなりました。

もう一つ、スマホやパソコンアドをいじっている最中に突然右の前腕~指先までが攣り始めることがあります。変な姿勢になっているわけでもないのに突然痺れて、操作を止めたりストレッチをしたり立ったり座ったりしてもすぐには良くなりません。「大丈夫?脳梗塞とかになってるんじゃないの?」と妻は心配してくれますがたぶんそんなモノではない。もっと神経的なモノ・・・頚椎を傷めている身体ではありますから首の神経圧迫とかの方が説明はできそう。でも特段そんな姿勢になったから起きているわけでもなく、1年くらい前からはちょっと重い荷物を抱えて道を歩いる最中に前触れもなく起こったりもしてまして、どうして?と思うこともありました。

今までになかった身体の不調はまあまあ多々出てきます。「歳取ったからかなぁ」とは思いますが、急激に歳を取るきっかけがあったわけでもないので自分としてはまだ認めたくない。おそらく客観的に見て、今初めてわたしを見たら「それは普通。むしろ若い方だと思いますよ」と云われそう。「今の年齢なら特別な症状ではない」と冷たくあしらわれそう。でも、連続的に関わっていたら(もとより自分自身のことだから)、何か明確な病気をしたわけでもないのだから、決して今の状態が当たり前ではないはず。「簡単にオレを年寄り扱いせんでくれ!」と叫びたくなるのであります。世のジイさん達は皆、こんな葛藤の沼を通りながら『年寄り』になっていくのでしょうか。

 

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運気の変動

定年になり、継続雇用という形でそのまま働くようになって早半年を過ぎ、仕事では責任のある立場から退いたのと同時に面倒くさい会議にも出なくなって毎日きちんと定刻で帰宅できる日々ですし、プライベートでは遺言書をしたためたり、退職金を資産運用に回したり。

そんな中、想定していたより若干多かった退職金を前にして、それならもう一回くらい自家用車の買い替えができるかな?などと思ったりもしたけれど、突然自宅のリフォームの申し出が妻からあり、今急ピッチで住宅会社さんと見積りなどやり始めたところです。あと5年くらいかけて終の棲家をどうするか(マンションにするかこのまま済むか建て直すか)をゆっくり考えようと云っていたのに、老後のために住むところを決めた途端に病気になったり事故に遭ったりして逝ってしまったら何のための住み替えか分からなくなるから、するなら早いほうが良いのではないかと云うわけです。そして自動車免許を返納した後のことを考えて交通の便利なところのマンション購入など語っていた妻が「このままこのコミュニティの中で住み続けたい」と云い始めた次第です。

仕事の環境が大きく変わった上に来年の春には新しい居住環境に変わる予定です。もしかしたら妻が先日買ったハロウィンジャンボも高額当選するかもしれません。彼女の運気は今上昇機運ですから。でも、これだけ生活環境が変化するとき、必ず運気の変化が来ると云われています。とくに家を建てたり建て替えたりすると家主の体調が大きく変わると云うではないですか。最近著名人の急逝のニュースがたくさん舞い込んできます。それでなくてもちょうど体力の低下を実感し始めている今日この頃です。今回の生活環境の変化が吉と出るか凶と出るか、個人的にはちょっと気がかりではあります。どうか、良い方に導かれますように。

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食べなきゃいいのに

「ここの食事はどれも不味いんだよ!」と騒ぐ仲間。「別に普通ですよ」と言いながら丼食ってると、わざわざやってきて「ようそんな不味いもの食えますね」と云う。なんでそんなに騒ぐのかよくわからん。私はなんでも美味しい貧乏舌だからグルメの皆さんが「こんなの食えん」と吐き捨てるものも大体なんでも美味しく食える自信があります。「不味くて何も食うもんがない!」と思うのならそれはそれで良いから食わずに静かにしているか、近くのコンビニにでも行って何か調達すれば良いんじゃ?

こんな人が割と多くいます。自分が気に入らないから周りも全部自分の同類に巻き込まないと気が済まない人たち。寂しがり屋というよりも同じ状況なのにそれで楽しんでいるのを見るのが歯がゆいのでしょうか。勘弁してほしいわ。まるで自分が情けないことをしているかのような錯覚に囚われてしまうじゃないですか。

 

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蚊がいない?

もう何年も、毎年毎年「今まで経験したことのない」という天変地異が繰り返されていますが、さらに今年の猛暑はまだ尾を引いています。

秋の彼岸の時に、いつもはいつの間にかニョキニョキと生えてくるはずの彼岸花がわが家の近くでは全く姿が見えず、2、3週間遅れで10月になってから咲き始めたのを見ました。庭先の紫陽花に季節外れの若芽が出たり玄関のヒメコブシにちらほら花が咲いたり、あるいは桜並木のソメイヨシノの花が咲いたり、これを簡単に”狂い咲き”と云っていいものかどうか。私たちは『季節』を暦で判断するけれど、生き物は気温や日差しを指標にしているのでしょうから、彼らにとっては自分たちの行動こそが自然に任せた当たり前の現象なのかもしれません。そういえば、今年は蚊に刺されません。夕方に庭の水撒きをしていても全く蚊の気配を感じません。すぐに最優先で刺される妻ですら、夕方の散歩中に蚊に刺されたという話を一切しません。彼らは暑すぎて出て来れないのでしょうが、これから先の季節どうするのでしょう? 大豊作の野菜や果物があったかと思えば大凶作の野菜や果物もあり、さてさて『旬』がどうなる?などという悠長な風情の話ではなく、食物連鎖の中で生きとし生けるものたちにとって、あるべき時にあるべきものがない(あるいは多すぎる)ということが、すぐさま生態系に影響を与えることは必至なのではありますまいか。

もちろんこれによって自然淘汰されて消えていく生き物はたくさん生じるでしょうし、新しい生態系が構築されて新しい世界が始まっていくのかもしれません。いつまでも昔の常識に捉われてしまう『ニンゲン』などはいの一番に廃れていくのかもしれません。

 

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医者の不養生

国内初の「飲酒ガイドライン」を公表/厚労省

 ”2月19日、厚生労働省は飲酒に伴うリスクに関する知識の普及推進を図るために「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために、個人の適切な飲酒量・飲酒行動の判断の一助となるよう作成された。”(Care Net2024/02/22公開)

今さらですけど、『厚生労働省:健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』を見直しながら、「医師は普段どのくらいお酒を飲んでいる?/医師1,000人アンケート」というのを眺めております。肝機能が悪いのを承知の上で大量に飲酒している医者が少なくなく、そしてその約半数は「今後酒の量を制限しようと思うか?」という質問に「いいえ」と答えている。何のコメントも挟まれていないスライドの羅列でしたが、まあ「さもありなん」の内容。そしてわたしも(わたしは 30以下ではありますが)その同類なのかもしれません。もっとも、最近は「晩酌が楽しみ」ではなくなってきているから、今が止め時、減らし時なのでしょうな。

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立つべし・動くべし

「腰痛」は座っている時間を減らすと予防・改善できる

 ”暑い日が続くと、腰痛や肩こりが増えるという報告がある。
腰痛に悩まされている人は、毎日の座っている過ごす時間を減らし、なるべく体を動かすようにすると、腰痛の悪化を防ぐことができることが明らかになった「1日に座っている過ごす時間が多く、腰の健康が心配という人は、仕事中や余暇時間に立ち上がり、座位行動を減らす工夫をすることをお勧めします」と、研究者はアドバイスしている”(保健指導リソースガイド2024年10月07日配信)

座るとか立つとか云う問題よりも長時間同じ姿勢でいることが悪の根源なのではないかと実体験からは感じております。ただ、立っていたり屈んでいたりするとあちこちに痛みや痺れが来て同じ姿勢を維持すること自体が難しくなるので自ずと動かすもの。それに対して、座っていう間はあまり苦痛がないので動かないことが多くなって、さて立とうかなとしたときに腰が固まって動かないことに初めて気付くなんてこと、歳を取れば取るほどよく経験します。

●「ただ意識して立っているだけでも良いのですが、ウォーキングなどの活発な運動・身体活動を行うと、さらに良い効果を期待できます」。
●「座ったときに腰に負担をかけない姿勢を探すことよりも、体を使い姿勢を切り替えることの方が効果的である可能性もあります」

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『リバウンドのこと』

季刊誌の秋号が発行されましたので、今回も定期コラムを転載します。〆切の日までに良い文章が浮かばずに、やむを得ずストックしていた文章を引っ張り出してしまいました。最後の最後に偉そうなことを書きましたが、結局全然瘦せることはできませんでした。ごめんなさい。

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 リバウンドのこと

多くの人が“ダイエット”は経験しています。そしてその中の多くは少なくとも一度はダイエットに成功しています。

「あれ、なんかちょっとやせましたよね?」
「え、わかりますか? まあ、ちょっとがんばりましたからね」

スッキリした体型と晴れ晴れとした表情でそう答えたのに、しばらく見ないうちに元に戻る(あるいは前より大きくなる)なんてことも多くの人が経験していることでしょう。わたしなんか10キロ~15キロレベルで7、8回は体重を上げ下げしてきました。同じ生活を続けていたら当然維持できるはずなのにいつの間にかリバウンドしてしまうのです。だからそんな方々の気持ちはよくわかります。

リバウンドした身体を目の当たりにして、再出発するとなった場合の敵は大きく分けて2つあります。「またあんな苦しい思いをするのはちょっと無理。一度は成功したから、もういいかな」という『逃げ腰パターン』と「またいつでもやる気になればできる自信がある」と言いながらなかなかやらない『言い訳パターン』。どっちも自分の弱みにつけ込んでくる悪魔に耳元で囁かれて負けそうになるヤツです。わたしの場合はどちらかといえば後者・・・幸い今までは“時”が来たから再びダイエットに成功はしたのですが、体重が乱高下すると「最終的にやせても太っても、ずっと肥満だった人の方が長生きする」というテータを以前見たことがありますから、できたらそのままキープしたいものです。

リバウンドは“生き延びる”ための強烈な生体反応ですから、生きていく上ではとても重要な現象ではあります。「ご主人がご乱心で飢餓状態を作り始めたから何としても阻止せねば」という優秀な家来の決死の応戦。だから、再度ダイエットをする場合にはモチベーションの上乗せが要ります。前回がキツかったのなら、過去の栄光にしがみつかずちょっと緩めに目標設定してみるといい結果に繋がることがあります。緩めすぎて「結局何もしてないのと同じ」ということも起こりえますが、それでも「がんばろうとした事実」は残ります。優秀な家来に自分の真の想いを分かってもらうためには、自分がいかに本気なのかを行動で示す必要がありますから、何度も何度も自分なりに自分と対話してみてほしいと思います。その時に「何のために戦っているのか」ということだけは明確にして、目的を見失わない様にしましょう。そんな自分との対話は、結果がどうであれ決して無駄に終わることはないと信じています。もっとも、ここ数ヶ月で一気に太った私はあまり偉そうなことが言えません。この文章が公表されるまでには元に戻しておくぞ!とこっそり誓ったところです。

 

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『世界メンタルヘルスデー』

初めて「こころの健康」がテーマに ストレスが最大の健康リスクと感じる人は20年で3倍

厚生労働省は先ごろ『令和6年版厚生労働白書』を公表し、特集テーマとして「こころの健康」を初めて取り上げた。白書によると日本は精神疾患の患者数や自殺者が増加の一途をたどっており、健康にとって最もリスクとなる要因を「精神的なストレス」と答えた人の割合が20年前と比べ約3倍増えていることがわかった。10月10日は「世界メンタルヘルスデー」。初めて「こころの健康」に焦点をあてた白書から日本のメンタルヘルスの現状をみてみよう”(保健指導リソースガイド2024年10月10日配信)

 せっかくですから本文を読んでみてほしいと思います。

「ストレスチェックって、かなりストレスがかかっている部分のチェックをいれても結果として『あなたのストレス度は正常(良好)です』って返ってくるんですよ」と、先日同僚のドクターから愚痴られました。「なんか身体的な不具合でも出てこないとストレスがかかっていると認めてくれないんですかね」とまで。そうですかねえ。わたしが産業医をしている企業のストレスチェックではかなりの数の高ストレス者が毎年出てきますが、確かにこころの問題から身体的な問題も加わって来ている人の評価点が高い(低い)というのはわからないでもない。そしてそのこころのストレスを相談する家族や同僚や上司がいるかどうか、そこが判定に大きく影響を与えている気はします。

 

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骨粗鬆症の日

【10月20日は世界骨粗鬆症デー】骨を丈夫にするためにカルシウムとビタミンDが必要

 ”10月20日は「世界骨粗鬆症デー(WOD)」だ。これは、骨粗鬆症と骨代謝の障害についての啓発を目的に制定されたもの。骨を丈夫にするために、カルシウムとビタミンDが必要だ。日本人の多くは、ビタミンDが不足していることが明らかになった。やせ志向のある若い女性で、とくにビタミンDは不足している。バランスの良い健康的な食事をして、日光を浴びることが大切だ”(保健指導リソースガイド2024年10月07日配信)

スカスカの骨が突然折れてそのまま歩行障害やねたきり、という光景を思い浮かべるのは高齢者だけなものだから、ダイエット志向の若いお嬢さん方にはいつの世でも『馬の耳に念仏』なのかもしれません。それでも健康志向の現代人、骨粗鬆症予防に必要なのはビタミンDとカルシウムが必要だということは理解している様子です。でも魚も野菜も嫌いな皆さんは結局サプリに頼っているのでしょうか。もっとも、どれだけカルシウムを採っても要らなきゃわけで、運動(骨を軋ませる行為)があってこその骨粗鬆症予防。日光浴びながら外で運動・・・この一番面倒くさいことを避けては絶対に成立しないことなのであります。

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転倒予防の日

昨日(10月10日)は語呂合わせで『転倒(てん=10・とう=10)予防の日』でした。

テレビでは何も云わないからうちの職場が勝手に定めた日なのかと思いきや、ちゃんと日本転倒予防学会なる学会が定めた正式な日だったみたい。学会が募集した『転倒予防川柳』の入選作も発表され、意外にこっそり盛り上がっておりました。ま、若い人には興味が無いかもしれませんが、40歳超えたらきちんと筋力保持する習慣作りが大事なのですよ。大切さに気づいた頃にはもう遅いのですよ。

今日は職場のフィットネスセンターに、株式会社ルネサンスからバランスボールを使った実証実験の成果の紹介が届いていました。

●つまずき経験の減少:60.9% → 32.6%
●実験後の転倒経験者数:0名
●その他の効果:腰痛や肩こりの軽減、姿勢の改善など

バランスボールを日常生活に取り入れるのは思いの外ハードルが高く、志高くバランスボールを買ったのに家の中でオブジェになっている家は少なくないでしょう。わが家も遠い昔家に転がったままになってそのうち邪魔だから空気抜いたことがありますが、さてあの抜け殻になったバランスボールはどこにいったかしら。それでも、思わず躓くその”転ばぬ先の杖”ですから、この機会に何らかの転倒予防の取り組みを始めましょう。

そういえば今朝のニュースだったか、ちょっとした量でもいいから「筋トレをするといい」というのを話していました。
 

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顔立ち

わたしの職場ではまだ原則として職員は仕事中はマスク着用です。患者さんも受診時はマスク着用をお願いしています。それでも、日常のマスク着用率が減るのに合わせて、職員も仕事時以外はマスクを外していることもちらほら見られるようになってきました。食事中はもちろん外しますし。

そんな中、初めて素の顔をみる若いスタッフも多いのですが、むかしから知っている職員さんの素顔を久しぶりに見て驚く機会が増えてきました。

「あれ、こんな顔だったっけ?」

以前、ここ書いたときは化粧もしなかった期間が長かったしマスクしていて若干むくんだ顔になったためでは?とか、しばらく会ってないから昔の顔を忘れてしまったから?とか思っていたのですが、よく考えたらコロナが蔓延し始めてからもう5年です。この年齢で5歳一気に歳を取ったのですから、印象が変わっていてもおかしくはないはず。女性にとっては酷な表現ではありますが、これが年輪。日頃から素顔を見慣れている家族の顔は徐々に5年見続けてきたから変わった感じを受けませんが、5年ぶりに久しぶりに会った友人、知人の顔は印象は違いましょう。でも、そういう久しぶりの再会ではなく、ずっと当たり前に会っていた(目だけしか合わせていなかったけれど)からこそ、その違和感が著しいのだと理解しています。理解していますけれど・・・でもやっぱり、この表情は私が知っている彼女ではない・・・慣れません。早く完全解禁できる日が来ることを願ってやみません。

 

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フレイル

昨日、上皇后様が御所で躓いて大腿骨骨折をしたと聞きます。緊急手術を受けたのだと。かなり足腰弱られて階段登るのもフラフラしていたそうです。もともとバセドウで細い身体ですし、公務もなくなって御所の中の散策くらいしかしていなかったのでしょうから、さもありなんと思います。「高齢者にはありがちな骨折です」とかテレビに出た整形外科医が云っていましたが、まあ彼は若いから実感はないでしょう。わたしなんか最近本当に普通の平たい廊下で派手に躓きましたよ。数ヶ月前には職場の救急医のお偉いさんが普通の廊下で躓いて膝のお皿割っちゃいましたよ。もうこの歳でも普通に躓きます。自分で思っているほど足は上がっていないのだと云うことを、わたしは自覚しています。

さて、上皇后様が心配です。もちろん完璧に手術を済ませ、完璧なるリハビリをこなして退院するのでしょうが、あの体格では術後にどうしても筋肉が落ちます。動いても消費カロリーが少なくて食欲が上がりませんので、どうしても筋肉が減ってしまいます。筋肉が減ると頑張る気はあっても動く量が術前より少なくなりましょう。また躓かないように周りも自制を求めるかもしれません。これがフレイルサイクルです。周りの専門家達が運動と食事の両面で完全サポートして完全復帰させるまで始動して上げてほしいと思います。上皇后様に何かがあったら皇后様もきっと弱ってしまうこと必至ですし。

ちなみに、奇しくも毎年10月10日は私の職場では『転倒予防の日』と定められています(テン(10)とう(10)の語呂合わせ)。実は今朝もロッカーから持ち場に行く途中で躓きそうになりました。毎日毎回、心して歩かねばと気を引き締めているわたしです。

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晩酌酒

前にも増して、「酒を飲みたい」という欲求がわかない。まあ友人たちと外食したときに飲む酒はおいしいと思うのだけれど、家飲みの晩酌とか単に惰性で飲んでいる状態。「それなら飲まなきゃ良いじゃん」と云われるけれど、酒飲みとしてはこの今の状態が解せないというか認めたくないというか、酒飲んで「不味い!」と思うわけでもないからとりあえず飲むという感じの毎日なのです。おいしい肴やつまみのお菓子があればいいのかなと思っていろいろ並べてみるけれど、そもそもその肴やつまみ自体があまり食思を動かすものに感じられない昨今なのであります。これって無理して飲み食いしているから保っているけれど、それをしなくなるといわゆる『フレイル』の入り口なのじゃありますまいな。最近月一キロレベルで直線的に体重が増えているから(夕方になってもあまり腹が空いた感じにならないから)あまり「食いてー!」「飲みてー!」という渇望感にならないのだと思い込んでいるけれど、それとは全然別の食欲低下サイクル(=老化)が作動し始めているというものではないのでしょうか。

ほんの1年前までは「昨夜は飲みすぎた。もう晩酌はしないぞ!」と誓って朝出勤するのに夕方帰るときには「今夜は何を飲もうかな♪」などと考える毎日だった・・・そんな自分に自己嫌悪したものですのに、今考えればあの時の方がはるかに健康的だった気がします。

 

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独り好き

独り好き志向の高い人は精神的な健康度が低い傾向

独りでいることを好む人は、どの世代でも精神的な健康度が低い傾向がみられ、独りでいることが好きであっても、社会的孤立による精神的健康への悪影響は弱まらないことが明らかになった。「独り好きの傾向が強いと、精神的健康度は低い傾向にあることが分かりました。これは、独りが好きであることは、人付き合いの煩わしさから生じている可能性が高いことを示唆しています」と、研究者は指摘している”(保健指導リソースガイド2024年09月30日公開)

全世代を通じて以下のことが明らかになった
・独り好き志向性が高い人、もしくは社会的孤立者ほど、精神的健康度は低い。
・独り好き志向性には、社会的孤立者の精神的健康の悪化を緩和する作用はない。
・独り好き志向性が高いことと、精神的健康度が低いことの関連は、「人付きあいの煩わしさ」によって部分的に説明(媒介)される。

"独りでいるのが好き"という人が、「社会的に孤立していると精神的に健康でいられる」と主張しても、そんなことは無条件には言えない、という結果のようです。わたしは「独り好き」ではないのだけれど、独りでも何も苦にならない。ランチを連んで食べに行くのは苦手(食事中に話をしながら食べたり、周りに合わせて立ったりするのがめんどくさい)。会食などで周りから話しかけられたらいくらでも会話するけれど、こっちから話題を振るのは得意ではない。わたしはやはり典型的に『精神的健康度の低い高齢者』の部類に入るのは必至です。きっと妻もそう。老夫婦二人して『精神的健康度の低い高齢者』となると先行きが危ぶまれます。とはいえこれは大部分が性格に起因しますから、今さら無理して社会に身をさらす勇気はなかなか出ては来ません。だれか、わたしを引っ張り出して!
 

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豪雨災害

とんでもなく大きくていつまでも停滞する台風や突然発生する線状降水帯やでこれまでの雨災害の常識を完璧に覆し続けている今年。先日の石川の豪雨災害で流されて命を落とした人たちが懸命の捜索でひとり、またひとりと発見されています。テレビで話題になっている中学生のお嬢さんも遠く離れた隣県まで流されたのが発見されたと報道されました。昨日は猛烈な台風18号が偏西風に乗ることもできずに台湾付近をいつまでも彷徨って台湾に甚大な被害をもたらしている情景がテレビ報道されていました。

台風は発生する度に予想進路が気になり、自分の住む地や故郷の地を避けて通ると「よかった」と胸を撫で下ろします。今回の台風18号も、「九州には近づくな! 大陸側に逸れろ!」と念じ続け、思惑通りに事が進んで安堵しました。石川の第豪雨も確かその前に九州をかすめていった台風のとんぼ返りが影響したと記憶しています。

自分が被害に遭わない様に願うがために他に逸れることを願うと云うことは、私ではない私の知り合いではない誰かが私の身代りになることを念じると云うことになります。「被害にあった人たちは可哀想に」と思うけれどでも元をただせば「自分じゃなくて良かった」の裏返し。別に私が念じたから台風のコースが変わったわけではないけれど、なんか申し訳ない気がしないでもありません。せめて、こころからご冥福を祈って合掌しなければこころ安まらない気持ちです。

 

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『後期高齢者の質問票』

特定健診では、75歳以上の後期高齢者には健康状態を把握するための質問票を記入してもらうようになっています。

先日、75歳になったばかりのご婦人の健診結果の説明をするときに、結果表と一緒にその『後期高齢者に対する質問票』と開かれた用紙がありました。

「この表現、なんかもっと優しい言い方にならないものですかね」と笑いながら云ったら、受診者の女性も相づちを打ちました。

「『後期高齢者』とストレートに云われると、なにか『ものすごく年寄りになったんだなぁ』という感覚になって、寂しくなりますね」

わたしも前期高齢者になりました。自覚もしていないのに『高齢者』と云われるのはかなりショックではあります。世間から見れば、「高齢者は高齢者なのだから当たり前じゃないか。自覚すべきだ」ということになるのでしょうが・・・国がこの露骨な用語を使うのは致し方ないとは思いますが、現場ではもう少しオブラートに包んだ表現を工夫しても良いんじゃないのかしら。まあ具体的な案はすぐには浮かびませんが・・・。

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フレイル予防

フレイル予防効果が高い運動・スポーツは?

 ”筑波大学体育系の辻大士氏らは、高齢者が地域グループに参加して実践している運動・スポーツ20種目のフレイル予防効果について、7万人超を対象に3年間追跡した研究結果をEur Rev Aging Phys Act(2024; 21: 8)に発表。この結果を基に、フレイル予防効果が高い運動・スポーツをランキングした”(Medical tribune2024年9月25日公開)

男性はダンス、サイクリング、水中運動、登山、ゴルフ、卓球の順にフレイル予防効果が高く、女性は登山・ハイキング、散歩・ウォーキング、テニス、体操、太極拳などが有意な検査として並べられています。まあ、かと云ってフレイル予防のためにダンススクールに通い始めたり自転車を買ったりすることはしないでしょう。むしろこういうデータは『フレイル予防効果があまり期待できない運動』が何なのかを羅列してくれた方が利用価値は高いように思います。この記事のグラフを見ていると、男性でも女性でも予防効果が低い種目は『ヨガ』だけのようです。筋肉を使う量が少ないということなのでしょうか(実際にヨガを体験してみると有酸素運動だけではなく体幹維持のためにかなりの筋肉活動をするんですけどね)。

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汗をかけない

6月にこんな文章書いたまま、ほったらかしていました。

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6月初めとは思えないような連日の暑さです。

怖いもの見たさでお昼に体重計に乗りました。学会前と比べて800gの貯蓄増。まあ、想定の範囲内。動くことは9000歩以上縛りの5月(職場のヘルスチャレンジ2024)から8000歩縛りの6月(げんき!アップくまもとのウォーキングチョイス)で結局毎日10000歩以上歩き回ったからいつもの通りだけど、ヘルスチャレンジ終了を持って晩酌縛りがなくなって毎晩大酒三昧やらかしたから。しかもスーパーに寄ってもドラッグストアに寄ってもお菓子買いすぎ。一年前、家に金がないと分かった時は一つのあられ買うにも「これ、本当に今食べたいのか?食べないと困るのか?」と自問自答しながら買ったり棚に戻したりしていたはずなのに、間違いなく夫婦ともに気持ちが緩みすぎである。

分析は終わって、反省はしたけど、さて。スーツのズボンが入らないことを除けば日常生活にあまり困ってない。洗面や風呂に入る度にみるみる膨らんでいったお腹を見ない様にするけれど、よくよく考えたら世間の同世代のおじさんたちよりは締まったお腹だと思う。まあ、酒はきっと今日からまた減らすだろう(そんなに飲みたい気持ちにならないから)し、夕飯も減るだろう。毎朝のスクワットも再開するだろう。けど、そんなんじゃ多分体重もお腹周りも減らないと思う。だって気合いが入ってないもの。大汗かいてふっふ言いながら腹筋やって体操やりたいなんて気持ちにまで盛り上がっていないもの。なにか、どうしても数ヶ月のうちに体を締めなきゃいけない切羽詰まった理由を作り出さないと無理なんよ。それを知っているから、気合いが入らないのよ〜。

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この頃は、こんな分析をしていたようである。実は、こんな悠長なことを書いていたこの頃から、わたしのカラダが蓄積を始めたのです。皮下脂肪がメインだからなのでしょうが、昨年初めに一気に体重が減って以降、わたしのカラダは様子をみていたようです。今のカロリーバランスが一時的なものかどうか・・・で、「これは一時的な気の迷いではない」と判断したものと思われます。この後、1ヶ月に1キロずつ直線的に増えていきながらまだプラトーには達しておりませんのです。恐ろしいことです。

 

 

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