『リバウンドのこと』
季刊誌の秋号が発行されましたので、今回も定期コラムを転載します。〆切の日までに良い文章が浮かばずに、やむを得ずストックしていた文章を引っ張り出してしまいました。最後の最後に偉そうなことを書きましたが、結局全然瘦せることはできませんでした。ごめんなさい。
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リバウンドのこと
多くの人が“ダイエット”は経験しています。そしてその中の多くは少なくとも一度はダイエットに成功しています。
「あれ、なんかちょっとやせましたよね?」
「え、わかりますか? まあ、ちょっとがんばりましたからね」
スッキリした体型と晴れ晴れとした表情でそう答えたのに、しばらく見ないうちに元に戻る(あるいは前より大きくなる)なんてことも多くの人が経験していることでしょう。わたしなんか10キロ~15キロレベルで7、8回は体重を上げ下げしてきました。同じ生活を続けていたら当然維持できるはずなのにいつの間にかリバウンドしてしまうのです。だからそんな方々の気持ちはよくわかります。
リバウンドした身体を目の当たりにして、再出発するとなった場合の敵は大きく分けて2つあります。「またあんな苦しい思いをするのはちょっと無理。一度は成功したから、もういいかな」という『逃げ腰パターン』と「またいつでもやる気になればできる自信がある」と言いながらなかなかやらない『言い訳パターン』。どっちも自分の弱みにつけ込んでくる悪魔に耳元で囁かれて負けそうになるヤツです。わたしの場合はどちらかといえば後者・・・幸い今までは“時”が来たから再びダイエットに成功はしたのですが、体重が乱高下すると「最終的にやせても太っても、ずっと肥満だった人の方が長生きする」というテータを以前見たことがありますから、できたらそのままキープしたいものです。
リバウンドは“生き延びる”ための強烈な生体反応ですから、生きていく上ではとても重要な現象ではあります。「ご主人がご乱心で飢餓状態を作り始めたから何としても阻止せねば」という優秀な家来の決死の応戦。だから、再度ダイエットをする場合にはモチベーションの上乗せが要ります。前回がキツかったのなら、過去の栄光にしがみつかずちょっと緩めに目標設定してみるといい結果に繋がることがあります。緩めすぎて「結局何もしてないのと同じ」ということも起こりえますが、それでも「がんばろうとした事実」は残ります。優秀な家来に自分の真の想いを分かってもらうためには、自分がいかに本気なのかを行動で示す必要がありますから、何度も何度も自分なりに自分と対話してみてほしいと思います。その時に「何のために戦っているのか」ということだけは明確にして、目的を見失わない様にしましょう。そんな自分との対話は、結果がどうであれ決して無駄に終わることはないと信じています。もっとも、ここ数ヶ月で一気に太った私はあまり偉そうなことが言えません。この文章が公表されるまでには元に戻しておくぞ!とこっそり誓ったところです。
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