大腸がん検診
”50歳ではなく40代から大腸がん検査を受けるのは有益だという、大規模な調査結果が発表された。大腸がん検診は、大腸がんによる死亡リスクを最大で45%減少する効果があることも示されている。「大腸がんのスクリーニング検査と大腸内視鏡検査を受けないでいると、リスクは大幅に膨れ上がります」と、研究者は指摘している。大腸がんは日本でも、食生活の欧米化、肥満、アルコールのとりすぎ、運動不足などを背景に増えており、死亡数は肺がんに続き2番目に多く、女性ではもっとも多いがんだ。”(保健指導リソースガイド2024年10月28日公開)
三重県に住む4つ違いの実姉が直腸がんの手術を受けたのは熊本地震の年のことでした。旦那の会社の家族健診を受けられるのにずっと無視し続け、何となく便通異常はあったけれどほったらかしていて、やっと重い腰を上げた時には進行がんになっていました。幸い手術を受けることができて人工肛門も免れたそうではありますが、いまだに排便の不具合が続いています。「もっと前に検査しておけば」と義兄が云う度に彼女はとてもイヤな顔をします。昨年の春にはわたしも大腸ポリープの切除術を受けました。幸い悪性ではありませんでした。毎年の便検査で潜血検査が陽性になったことは一度もありません。それでも、小さなポリープが散在しているので時々大腸内視鏡検査やCT検査をオプションで受けるようにしていて、前回はそれが大きくなっているのが確認されたから治療の運びになった次第です。
日本の検診は世界でも最も先進的です。大腸内視鏡検査を定期的に受けるのはさすがに賛否両論ありましょうが、毎年の便潜血検査(企業検診では必須項目になっています)を受ける人は多いはず。ところが、それが陽性でもなかなか重い腰を上げません。大腸検査というのが怖いのか恥ずかしいのか・・・検査の日が便秘だったから、便が硬かったから、あるいは痔核があってよく出血するから・・・とにかく検査を免れるための理由付けをいろいろ思いつき、「多分大丈夫だ」と自分に云って聞かせるようです。そのままほったらかして翌年の便検査が陰性だったから「ほーら大丈夫だった」と胸を撫で下ろす人が少なくないみたい。「あのときちゃんと調べておけばこんなに進行する前に処置できたのに」となる人を何人も診てきているわたしたちにとっては危なっかしい綱渡りですけれど。もっとも、便潜血陽性だから一大決心をして全大腸内視鏡検査を受けたのにまったく異常がなかったと云う人の方がたぶん多いはずです。そんな人が数年後にまた陽性になっても「あの時大丈夫だったから」と云って受けないと今度は別物だったと云う話もよく聞きます。もはや数年前の検査結果は”過去の思い出”だと思っておいた方がいいでしょう。
『若い人ほど、大腸検査を!』 予防医療に従事する者の切実な想いです。
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