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水銀柱

『血圧』というものがどういうものか、ご存じでしょうか。血圧120mmHgとはどれほどの力なのか? ”血圧120mmHg”というのは、水銀の柱を120mm=12cm押し上げる力の事です。むかしは血圧は水銀柱の血圧計で測っていたからこういう単位なのですが、水銀が使われなくなった今でも水銀柱を基準にし続けているというのも可笑しなものです。水銀は水より13.6倍重いらしいから、これを水柱に置き換えると120×13.6=1632(mm)、つまり"163cmの高さまで水を押し上げる力"ということになります。血圧130mmHgなら177cm、140mmHgなら190cmの大男(ちょうど大谷翔平選手の様な)の身長の高さまで吹き上げる力です。そんな激しい圧力がずっと全身の動脈の壁に均等にかかっているわけですし、その圧力を受け止めて対抗している心臓の押し出す力も同様です。

どうでしょう。自覚症状がないうちからこんな力を毎拍動ごとに受け止めている動脈壁には感謝しかありません。これで心電図の変化が出てきたり息切れ動悸が出始めたりするのは、それはそれは長い年月の負担のなれの果てだということがお分かりでしょうか。自覚症状などまったく当てになりません。自覚症状が出るまでほったらかしていたらもう元に戻れないレベルに進行してしまいます。自分の血圧というものを今すぐ見直してみましょう。早朝安静時に低くても安心はできません。一日中ぼーっとして生きている訳ではありません。これで昼間の仕事中は180mmHgなどという人はザラにいます。かく云うわたしもその一人でした。仮面高血圧といわれるこうした血圧変動は、ずっと高値で野放しの高血圧の人と同じ脳卒中率ですし、日ごろを知らない分だけ危険だと云われています。この変動幅が大きい人の方が脳卒中で亡くなる率が高いのだそうです。

 

 

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