代謝も体重も健康であれ
”メタボリックシンドロームの構成要素である肥満とその他の心血管疾患(CVD)危険因子(高血圧、高血糖、脂質異常)は、組み合わせにより疾患の発症率および死亡リスクが異なる。そこで、肥満と代謝異常に基づくリスク分類として、「代謝表現型」が注目されている。既に欧州などでは代謝表現型とがんの関連が報告されているが、国内の研究は限られている。徳島大学大学院医歯薬学研究部予防医学分野の渡邊毅氏らは、日本多施設共同コホート研究J-MICC STUDYに参加した5万3,000例超を9年間追跡。日本人においても代謝表現型によりがんの罹患リスクが異なり、肝がんでは約2.4倍に、大腸がんでは約1.4倍に上昇することを明らかにしたと、Cancer Res Commun(2024; 4: 2986-2997)に発表した。”(Medical tribune 2024年12月2日公開)
J-MICC STUDYに登録された5万3,042例(女性2万9,798例)を対象に代謝表現型とがんとの関連について検討した結果として、肥満の有無×代謝異常の有無で4群に分けたときに、肥満の代謝異常群が全てのがんでリスク上昇であったことを報告しています。さらに、代謝異常の有無に関わりなく肥満があると男性では大腸がんと肝臓がんのリスクが高くなり、女性では全てのがんで高くなる。一方で肥満がなくても代謝が不健康なら膵がんのリスクが1.6倍となったそうです。
結局、代謝異常も過体重もどっちもないようにしなきゃ、がんリスクは上がるという結論でよろしいでしょうか。どっちも健康であれっていうのは、私たち凡人にはかなりハードルが高いです。体質の因子もあるので、「努力すれば結果が出なくてもそれなりに報われる」という結論ではないのが悲しいところです。
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