家庭内予防
<家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析>
”インフルエンザの感染対策では、手指衛生やマスク着用などの非薬物介入が推奨されることが多いが、家庭における対策は比較的研究が進んでいない分野である。今回、中国・香港大学のJessica Y. Wong氏らによるシステマティックレビューおよびメタ解析により、非薬物介入は家庭内感染には影響を及ぼさなかったことが明らかになった。International Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2024年11月4日号掲載の報告。”(Care Net2024/11/22公開)
今回の研究はあくまでも”家庭内”での予防効果のこと。
”多くの国で推奨されている9つの非薬物介入(手指衛生、咳エチケット、マスク、フェイスシールド、表面の清掃、換気、加湿、感染者の隔離、物理的距離の確保)が家庭内のインフルエンザ感染予防として有効かどうかを評価するために調査を実施した”とのことですが、結論は
・手指衛生はインフルエンザの家庭内感染に有意な予防効果をもたらさなかった
・マスク着用は家庭内感染予防に効果がある可能性があるものの、統計的に有意ではなかった
・手指衛生とマスクの併用でも、統計的に有意な家庭内感染の減少は認められなかった
と云うことだから、家族がインフルに感染したら薬物以外で予防するのはむずかしい、ということになるようです。お国柄としてこれを発表した中国では「じゃあ、しても無駄!」という風潮になりそうで何か怖い気がしますが、どう考えても「うがい・手洗い・マスクという標準予防策が無意味だ」と云うことにはならないはずなので是非励行して欲しいと思います。
先日、産業医先の企業で産業保健師さんから、「今年の厚労省の感染症予防ポスターをみると『マスクと手洗いの励行』と書かれていて、以前あった『うがい』の項目が削除されているんですが、それには何か意味があるんですか?」と質問されました。おそらく、それは新型コロナが5類移行したときのリーフレットの事だと思われますので、対象はインフルではなく新型コロナなのでしょうが、コロナ以前、インフル予防にマスクの効果は懐疑的だという話はよく出ていましたが、少なくとも、うがいと手洗いは標準予防策の基本中の基本だと思っています。何か、違いますか?
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