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21世紀は未来にあらず

今年の年頭のあいさつで、わたしの勤務する病院長がこのようなことを云われました。

「さて、いよいよ2025年の幕開けです。かつて「未来」の代名詞だった「21世紀」は、すでに第1クオーター、4分の1を終えたことになります。25年の歳月を経て辿り着いた「今」は、かつて皆さんが期待した通りでしょうか?そして私たちを取り巻く世界は、この四半世紀の間に良くなっているでしょうか?」

そうか、たしかにかつて『ミレニアム』とか『ノストラダムスの大予言』とか、そんな大きな区切りだった21世紀の始まりは、もう遠い昔になってしまっていたのですね。何もかもが遠い過去の思い出の中に埋もれている気がしますが、25年前は個人的には心身ともに充実していた「まだまだ全然若い!これからだ!」を地で行っていた頃でした。20世紀に生まれ、21世紀なんて未来のまた先だった気がしていましたのに。映画『20世紀少年』(その後、漫画では『21世紀少年』も連載されたと聞きますが)を観た頃はもう21世紀だったけど、あまり違和感がありませんでした。でも、今となってはあの内容がまだかろうじて「まちがっている」と云えるギリギリのところにあることを考えるとちょっと怖いです。そして今が修正のための最後のチャンスなのでは(もう遅いかもしれないけれど)とも思います。

くだんの院長のコトバを借りると「ウクライナや中東での紛争の深刻化、欧米各国での保護主義の台頭、先進国と発展途上国の対立、新たな感染症の脅威、気候変動による自然災害の多発。これらの世界の混迷が私たちの生活にも大きく影を落としています」ということが急に加速度を増して押し寄せてきている実感があるのです。なんとかこれがどこかで好転し、心配が杞憂に終わることを期待したいところです。

 

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