「医学誤情報」
想像以上の大惨事になったロサンゼルスの山火事に『陰謀説』が出ていると先週某日の朝のニュースで伝えていましたが、何か違和感を感じます。新型コロナや地球温暖化ですら『陰謀説』もどきが蔓延していた(今でも続いていますが)にも関わらずテレビニュースではあえて取り上げないできたのに、今回はどうしたのでしょうか?
医療の現場では、もっと別次元での”誤情報”は後を絶ちません。昔の”都市伝説”の類いとは違って最近のモノは完全否定(完全確信)の世界なので、それを間違いだと正すことは不可能に近い気がしています。わたしたち凡人医者ではエビデンス的な反論も中途半端ですし、その信者は医療者の中にも少なからず存在していますから。そんな中、
と題して、Medical Tribune(2025年1月10日公開)で論文解説が行われていました。出典は、「医学誤情報への対処法」(Ann Intern Med 2024年12月31日オンライン版)。細かいことを書くとまあまあ語弊が生じる可能性もあるので、書かれていることの一部だけ紹介します。客観的思考の良識ある医療者なら、納得はできそうに思います。
●医学誤情報を信じている相手に対して「科学的正論」を説明しても無意味。「誤情報」を信じさせているのは科学的「事実」ではなく、彼らの持つ隠れた「(強い)欲求」だから。
●その「欲求」は3つ~「聡明でありたい(comprehension:自分は事態を理解している)」「周囲を動かしたい(control:周囲に影響を及ぼしうる)」「つながっていたい(community:ある集団の一部である)」
●医学は「曖昧さ」を不可避的に内在するが、誤情報は対照的に「確信」に満ちている。したがって、「言い争い」は得策ではない。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 週30分?(2025.02.14)
- 大腸内視鏡検査無償化(2025.02.11)
- 認知症対策にカフェイン?(2025.02.07)
- コーヒーは朝飲むべし?(2025.01.31)
- ナッツ食ってるよ(2025.01.30)
コメント