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妊婦のネット依存

妊娠中の長時間ネット使用は低出生体重リスク

 ”島根大学看護学科地域・老年看護学講座講師の榊原文氏らは、松江市の母児2,000組超の妊娠届出書および出生届の匿名データを用いた後ろ向きコホート研究の結果、妊娠中の1日5時間以上にわたるインターネット長時間使用が低出生体重(2,500g未満)と有意に関連することが示されたとEnviron Health Prev Med(2024; 29: 72)に発表した。”(Medical tribune2025年1月6日公開)

2016年4月~2017年9月に松江市に妊娠届出書を提出した母親とその児を対象に、追跡不能(死亡)、データ不備、多胎妊娠、妊娠中に喫煙していた者を除外した2,089例を解析したところ、妊娠中にインターネットを長時間(1日5時間以上)使用していた者の割合は4.4%、低出生体重児(2,500g未満)の割合は7.2%で、妊娠中のインターネット長時間使用と低出生体重に有意な関連が認められた〔1日5時間未満使用群を参照とした場合の1日5時間以上使用群におけるオッズ比(OR)2.03、95%CI 1.08~3.82、P=0.028〕というものです。

研究というモノはこういうところに目を付けるモノなのですね。今時の若いお母さんの現状を物語っていて面白いと思う反面、妊娠中でも健康管理の意識が薄れ、ヒマに任せてネット依存になっていくお母さんがいるのだということは驚くべき事です。妊婦さんの生活に対する啓蒙啓発活動の意味でもこの研究はなかなか大切なモノだと感服しました。

両者の関連を生むメカニズムについて、榊原氏らは「1日5時間以上インターネットを使用する妊婦は、出産に関する情報収集以外の目的でも使用していてインターネット依存になっている可能性がある。インターネット依存は健康軽視を招き、妊婦健診の受診回数不足、食事の摂取量の減少や栄養の偏り、食事抜きによる栄養不良につながる可能性がある」と考察している。

この状況だと、ネット依存になってしまったお母さんは、出産後も育児よりもネットに興味を持つ危険性があるようにも思われます(普通に考えたらそんなことあり得ないと思うのですが)。

 

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