インフルとうがい
昨年末、産業医をしている企業の保健師さんに質問されて「必要ですよ」と答えた『インフルエンザ予防のためのうがい励行』(2024.12.2『家庭内予防』)ですが、実は遠い昔から厚生労働省は"うがい"をインフルエンザ予防の項目から削除していたのですね(2017年11月15日付の厚生労働省の公式ポスター)。その理由として当時の首相官邸HPの「(季節性)インフルエンザ対策」の記載によると、「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」ということだそうです。
これは、普通のかぜと違ってインフルエンザウイルスはのどや気管の粘膜に付いてから粘膜の中に入るのに数分しかかからないから外から帰ってうがいをするくらいではウイルスを洗い流せない、という理由だそうです。しかも先日テレビの健康番組で解説していた某先生によると、うがいによって周辺に飛沫が飛散するから口の中にいるウイルスを周りにまき散らす危険性すら懸念されるのだとか。
とはいえ、インフル以外の呼吸器感染症には一定の効果があるはず。エビデンスがないという理由で否定されると「無駄なことはしない」とばかりに何もしなくなる人が多くなるかもしれませんが、可能な限りうがい習慣を身につけていた方がベターだと思いますよ。
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