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2025年10月

わたしは医者じゃないんか?

本日からわたしの勤務する病院では職員のインフルエンザ予防接種が始まりました。先週来たメールによると、本日からの接種対象の1番目に『全医師』が入っているのですが、一向に問診票が届かない。「なんで? 申し込むの忘れたかな?」と不安になって管理をしている健康管理室に問い合わせたら、「予防医療センターは1117日からです」とつれない返答。「要するに私たちは医者じゃないという意味ですね?」と質問メール出したのだけれど、その返事は「すいません。諸般の事情でその時期なってしまったんです」と。

どうして、云いたいことが理解してもらえないのかなあ。臨床現場に出ているわけじゃないのだから別に急いで予防接種を受けたいわけじゃないしそんなこと一言も云ってません。『全医師』って書いてあるのですよ。うちの病院に『全医師』以外の医者は存在しないはずなのですよ。ということはわたしたちは『医者』と認識されていません、ってことですか?と聞いたわけですよ。世間の皆さんは「そんな言葉尻を取って」とか「細かきことをウジウジ云わなくても」とか思うかもしれませんが、当事者は明らかに不快なのですよ。『全医師(ただし予防医療センターの医師を除く)』とか書き様があるでしょうが。そういう気配りって、大切だと思うのです。

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AIエグすぎる

人間ドック健診医学会の専門医資格更新のためには、セルフトレーニングというのを受けて5単位をもらうことが必須です。問題数は25問で、採点料の2,000円が必要です。わたしはまだ4年ほど余裕はあるのだけれど、できることは早めに終わらせておこうと解答に取り組んでみました。

他の領域の専門医と違って、人間ドック健診医学会の専門医の問題は多岐にわたっています。内科領域だけでなく婦人科や遺伝子医学や法律や倫理の世界まであるので、到底実力だけで答えられる代物ではありません。だから、各領域の専門のドクターに聞くとともにとにかくパソコンで検索しまくるのが常です。昔は各々の領域の専門書を読みあさったり、専用の問題集を買ったりして答を探したものですから、かなり便利な時代になりました。それでもパソコン検索は正しい情報と同じレベルで誤情報も溢れていますから、各々で裏を取ることが大切なのです(いや、正式には、「でした」)。

職場のパソコンにはchatGTPが搭載されています。とりあえず検索すると最初に出てくるのは、AIによる内容の要約です。各設問は「正しいものはどれか」か「間違っているものはどれか」です。その選択肢の文が正しいか誤っているか・・・わたしは真面目にひとつひとつ単語検索しながら詳しい内容確認を繰り返して答を導きだしていましたが、どうしてもグレーな領域の文章もありまして、ちょっと悩むのです。「えーい、とりあえず問題文をそのまま書き写してしまえ!」とばかりにそのまま入力しかけたら、なんと、途中から勝手にそのままの文章が候補で出てきます。そしてそれを選ぶと、「はい、・・・です」とか「いいえ、違います・・・」とか、イエスかノーかで明快に答をくれました。こりゃ、ダメなんじゃないの? ほぼテストの解答集をそのまま盗み見ていることになるんじゃないの? それよりも、検索しようとしたら一言一句同じ文が選択肢に出てくるということは、わたしと同じように問題をそのまま書き写した人がいる=わたしと同じセルフトレーニングをAIにそのまま解かせた輩がいるということではありますまいか? 良いのか、そんなヤツが専門医で(まあ、わたしも同等ですけれど、どうせわたしの資格は形だけの物だからどうでもよい)?

今や、中高生でも大学生でもchatGTPを課題の解答などに使うことを許されている時代(というか、これなしでは生活できないとかいう若者だらけという)。それが当たり前の姿なのかもしれません。昭和のオヤジには到底理解できることではありませんが。

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『性分』

いつもの機関誌の秋号が発行されたようですので転載します。まったく医学的ではない内容なので申し訳ないと思いながら、それでも取り下げずに掲載してもらいました。

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『性分』

先日、通りすがりのテレビ画面に、有名すし屋の大将が鮨を握る画像が流れていました。それを見て「うわ、高そう!」と思わずつぶやく私と、「うわ、おいしそう!」と目を輝かせる妻。同じものでもこんなに見方が違います。妻の方が楽しくポジティブに生きていけるに違いないけれど、私にはマネできません。

こんなものを食べると健康に悪いし、自分の持病には一番の敵だと分かっているのに、「でも、好きだから食べちゃうのよね」と笑いながら全部ペロっと食ってしまう人と、好きだけど自分の体のためだからとじっとがまんする人。どっちが健康なのかしら。健康指導を生業にしている私ですら、この究極の選択には悩みます。がまんは健康に悪い。でもそう言い訳しながら食べてしまうことが健康に良いはずはない・・・困ったものです。ただはっきりしていることは、どっちの方が良いと分かったところで、性分は簡単には変えられないだろうということです。
うちの4歳半になる愛犬はとても臆病で、家の前を大きな車が走る音を聞くだけで怖がって二階に逃げ上がります。散歩中に突然何もいない広場に向かって激しく吠えたり遠くから来る宅配トラックを目撃した途端に踵を返したりします。「何が怖いのか、この子の予測不安は尋常じゃないよね」と私が言うと、すかさず「あなたも似たようなものよ」と妻。一週間後の天気が雨かもしれない、台風が直撃するかもしれない、寒くなるかもしれない・・・そんなことを毎日何度も言っているし、どんどん預金が減るからこのままだと一文無しになるかもしれない、咳がなかなか治らないから変な病気かもしれないなどなど、挙げれば切りがないそうです。天気なんて直前までどうなるかわからないし、お金なんて天下の回りものでしょ!とおっしゃる。咳が気になるならさっさと病院を受診しなさい!とも。はいはい、あなたのおっしゃる通りでございます。でも、これが私の性格であり性分なのです。最悪の状況を想定するから概ねのことが想像より軽く済んで「よかった、よかった」となるの。「それじゃ毎日が楽しくないでしょ」と思うかもしれないけれど、でもこれが私の心を落ち着かせる処世術。こんな性格の人は決して少なくないと思います。周りの皆さんはそこのところを理解して、あまり呆れず見捨てず批判せず、大きな心で見守ってください。

もっとも、13年前にここに『テロメア』の事を書きましたが、私のような性分はテロミアがどんどん短くなって老化が早くやってくると分かっていますから、きっと妻のような前向きな生き方が望ましいのでしょう(できませんけど)。

 

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単なる捻挫ではなさそう

先週初めから悪化した右足首の痛み。ことの発端はもう数ヶ月前の仮住まいのころ、玄関のたたきの段差が高くて軽く捻挫したのが始まり。まあたかが捻挫だとタカを括っていたのが一向に治らず、それが何のきっかけもなく1週間前から急に痛みを増してしまいました。先週末にリハビリの技師さんに相談したら、「多分、筋膜かなんかを痛めていると思うのでちょっと時間がかかるかもですよ」と脅されました。対処法は使わないことでしょうけど、足首使わない生活はわが家では無理なんです。生活のほとんどが中二階なので上にも下にも階段しかないのですから。平地や階段はまだ良いのです。微妙な坂道や地面のうねり(建物のヘリや歩道など)がヤバい。分かっているけどしょうがないやん。まあ、気長に治すしかありますまい。どうせじっとしていられる性格ではないのだから。

天気予報では、来週から一気に秋の気温になるのだそうです。そうです。そうなると一気に庭のハナミズキとヒメコブシの葉っぱが大量落下し始めるのです。今年は足が痛いから憂鬱であります。

 

 

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季節の移ろい

明らかに秋になってきました。昼間に30℃を超えた日でも決してボトボト汗が落ちるという感じではなくなりました。散歩をしていると、2週間遅れの開花スイッチが入った模様の彼岸花があちこちで満開なだけでなく(生真面目に彼岸に必死で咲いた彼岸花が朽ち果てているのを横目で見ながら)、多くの花々が咲き誇っているのを目の当たりにして、週末は短いであろう秋を楽しみました。もっとも、庭のハナミズキ(リフォームを機に伐採しようと思ったら周囲の皆様に「地域の癒しの象徴だから」と反対された木)と玄関のヒメコブシの色付きが一気に増して、いよいよ朝晩の落ち葉掻きの季節到来を感じます。まだ庭箒だけで掃いているけれど、竹箒が必要になるのは時間の問題でしょう。

体調の思わしくない妻の調子が戻ることを祈りながら、今日の中秋の名月を愛でたいと思います。季節が突然移ろい、政局も突然移ろい、スポーツもいよいよシーズンの佳境に入るものが増えて、気づけばもう神無月も半ばを迎える週になりました。

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