心と体

興味のベクトル

Ikari CurveをLauncherに搭載する臨床的意義

という文字が配信されてきたMedical tribuneの記事の表題に踊っていました。 わたし、何を勘違いしたのか、「Launcher」を「laughter」と思い込んでしまって、「怒りの程度をグラフに表して、それを『笑いのソフト』(そんなのが世にはあるんだ!)に載せる試みを行うことの臨床的意義」という記事なのだと思いました。

でも、開けてみたら、日本メドトロニクス社という心臓カテーテルなどを扱っている会社の発信した記事で、内容は伊苅(Ikari)裕二先生(東海大学)が開発した心臓カテーテルのお話。全然違っていました。

最初に思い込んでしまうと、自分で何でも想像して勝手に創り上げてしまうものなのですね。それこそ「あっはっは」(苦笑)です。興味のベクトルによって全然違う方向に向かってしまって、勘違いのために大騒動になるって、こんな感じで始まったりするのかしら。

元循環器内科医(カテーテル治療医)経験者でありながら、予防医療にどっぷり浸かっている今のわたしとしては、使い勝手の良いカテーテルの話よりも、日頃の怒りを笑いに換える云々の内容の方がはるかに興味深い。そんなことをいつも考えているからこうなっちゃったに違いありません(笑)

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ロコトレPR

『ロコモ』こと、『ロコモティブシンドローム』の一般市民への普及程度は少しは増しているのでしょうか? たぶんテレビの健康番組でも適宜PRしていると思うのですが、どうも『メタボ』ほどのインパクトがない感じを受けているのは、わたしだけでしょうか。まあ、ロコモは若いうちから該当するのに「ちょっと体力が落ちたかな」程度にしか感じていないヒトが多く、はた目からはメタボほど目立たないし、筋力や関節機能が落ちても楽で便利な道具はたくさんあるから困らないし、脅されても今ひとつってところはあるのでしょうね。

でもロコモは、今や多くの四十歳代が片足どころか両足突っこんでいますからね。自覚が出て異常に気づいてから何かを始めてももう元には戻らないですからね。そこんとこ、よろしく。わたしのようなアラカンは、現状維持が限界ですけれど。

ということで、微力ながらロコモ普及にご協力致します。ロコモチャレンジ!推進協議会ホームページ「ロコトレ」から拝借したものをコピペしておきます。『人間には運動欲という欲求は存在しないから、「しなければならない」という状況でない限り絶対に動かない』・・・要は”習慣づけ”です。さ、面倒くさくても、この程度のことはやりましょう。

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血尿

昨日の朝、尿意を催して大急ぎで小便器に向かってオシッコをしたら、突然真っ赤な血尿が出てきて辺り一面を真紅に染めた! という、夢を見ました。

夢の中のわたしはとても落ち着いていて、「あら、血尿だ。また石(尿管結石)ができているのか。そういえば最近また意味もなく腰が痛かったからな」などと独りごとを云い、トイレットペーパーで拭くのが良いか水を流して洗い落とすべきか・・・後始末のことなんか考えているうちに目が覚めました。二十歳前から尿管結石には悩まされ、ひどいときには年に3回も4回も発作を起こしたり、一晩に左右から排石されたりした武勇伝を持つわたしは、自称”石博士”。だから、夢の中の光景も自分では経験があるから、ちっとも驚かない。むしろ、「膀胱界隈まで落ちてきた証拠だからあと一息で出てしまうな」などと喜んだりなんかする。

でも、こういうのが一番アブナイんですよね。「全く痛くもないのに真っ赤な血尿が出る」なんてこと尋常ではないのですから、本当は「膀胱がんじゃないかしら?」と思うのが当たり前。「石だと思うよ」と放置して手遅れの進行がんになってしまう人が少なからずいることは、医療者であるわたしはよく分かっています。それなのに、「これはきっと石だ」と思ってしまう。いけませんねえ。「毎年健診で血尿を指摘されて精検してもいつも異常なしだからもう受けない」という”血尿慣れ”している女性の方も同じで、やはりこういう人が膀胱がんを見逃す人。面倒でも泌尿器科受診して「心配ない」という診断を受けた方がいいと思います。

それにしても、夢とはいえ気味の悪いはなし。何か、カラダからの警告なのでしょうか。

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早足と大股

まめ太郎チャレンジ!で歩数をきちんと計ってみたら、今年の歩数は昨年までほど努力しなくてもすぐに目標に達することに気づいて、どうもそれが歩幅が小さくなったせいだろうということを突き止めました。特段せかせかあるくわけでもないし、最近は胸を張って歩くように心がけているからむしろ歩幅は広いのだと思い込んでいただけに、ちょっとショックではあります。

そんな今まで気にも留めていなかった”歩幅”というものを意識して歩いていると、公園や湖畔の遊歩道を健康のために歩いている老若男女の歩く姿勢につい目が行くようになりました。凛とした冬の冷たい空気の中、颯爽と胸を張って歩く人、夫婦で語らいながら笑顔で通り過ぎる人、ワンの散歩友だちと井戸端会議しながらボチボチと歩を進める人・・・そんな中に、防寒着で身をまといながらうつむいてまるで小動物が歩いているかのようにシャカシャカシャカと小刻みに靴を鳴らして足早に歩くご婦人とすれ違いました。あれは、きっと散歩が目的ではなくて”早歩き”によるエネルギー消費だけが目的なんだな、と分かりました。

で、ふと思ったことは、「早歩き」と「大股歩き」とどっちがカラダに良いのだろうか?ということ。「早歩きしないと減量効果は少ない」と云われていますが、むかし運動指導士さんから「あまり小刻みに歩いても負荷はかからない」と教えてもらったこともあるし、『スロージョギング』の極意は小股走りです。一方で、「胸を張ってへその高さに股関節があると思って大股で歩きましょう!」というのが健康ウォーキングの基本であり、「上を向いて大股で歩くと幸福感が増す」という研究データがあることを昨年のポジティブサイコロジー医学会で学びました。まあ、『大股で早歩き』が一番なのでしょうがそれは置いといて、究極としては、『小刻みでも早歩き』と『ゆっくりでも大股歩き』のどっちが健康運動としては良いのだろうかな? 

ま、わたしは、比べるまでもなく、断然後者だと思いますけど。

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オトコの髪のリスク

「脱毛症」「若白髪」で男性の心疾患リスク5倍

昨日に引き続き、男性のアタマの話をもうひとつ。

男性型脱毛症または若白髪がある男性では、これらがない男性と比べて40歳までに心疾患を発症するリスクが5倍を超えるとする研究結果がインド心臓病学会(CSI 2017日、11月30~12月3日、インド・コルカタ)で発表された。”という記事が、CareNetに載っていました。

男性型脱毛は男性ホルモンが強いことも関与し、心筋梗塞などの冠動脈疾患に罹る確率が高いことは20年近く前から知っていましたが、若白髪が直接心疾患に関連することは認識しておりませんでした。ストレス性の因子を除けば、男性脱毛は男性ホルモン、白髪は女性ホルモンに関与するのが基本だと思っていたのですが、そうではないのでしょうかね。

これまでも何度も書きましたが、わたしの父親も父の兄も若い頃からの男性型脱毛、母方の兄弟は若白髪タイプ、そしてわたしは典型的な白髪タイプ(どれくらいを『若白髪』と定義するのかは知りませんが、40歳頃にすでに白髪はありました)です。父は心筋梗塞(推測)で亡くなったけれど75歳くらいだったし、母の母親は心筋梗塞だったけれど白髪の二人は心臓とは関係なかったし・・・。わたしは冠動脈石灰化スコアが超高値だからいつでも心筋梗塞で倒れる危険性があることは知っていますけれど・・・少なくとも、自分の人生経験と照らし合わせると、このインドのデータの信ぴょう性はよくわかりませんな。

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薄毛隠しとMRI検査

昨年末、わたしの勤務する病院のMRI検査で画像のゆがみが発生し、その原因が患者さんが使用していた増毛用パウダーだった可能性が高いことが判明しました。

薄毛隠しや白髪隠しのために頭に振りつけるパウダーとかスプレーとか、普通に普及していますが、その商品の中に『酸化鉄』の含まれているモノがあるようなのです。みなさんご存じのように、MRI検査は強烈な磁場の中で磁気共鳴を利用して検査するものなので、どんなにわずかな金属でも身に付けているととても危険です。だから、腕時計やネックレスだけではなくて、入れ歯とか人工物を使用した手術歴とかカツラの装着とかを、こと細かにチェックするのですが、「カツラはしていませんか?」とは聞きますが、「アタマにパウダー振っていませんか?」とはなかなか聞きません(聞けません)。しかもこの手のパウダーやスプレー商品のすべてに酸化鉄が含まれているわけではないようなのです。

検査技師さんから注意勧告メールが来ましたが、それによると酸化鉄の存在は、
①MRI画像の歪み
②火傷や熱傷の恐れ
③MRI装置の故障(酸化鉄の飛散)
などのリスクが考えられるそうです。使っている人はちょっと自ら申告するのに勇気がいるだろうとは思いますが、MRI検査を受ける場合は、パウダーやスプレーを使わないとか前もって洗髪して落としておくとかして、検査に臨んでください。プライドがあるのでそんなことはしたくない、という人は、迷うことなくMRI検査を拒否するか、酸化鉄の含まれてない商品を探すことをお勧めします。

ちなみに、セラミックスが含まれる遠赤外線下着や、ヒートテックような機能性(保湿性)肌着は検査中は着用禁止です。知っておくと良いと思います。

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35度の前傾姿勢

わが国初の慢性便秘症の診療ガイドラインが発表されたというので、読んでみた。

慢性便秘症の定義として、便が大腸内に滞ることだけではなく、「毎日排便があっても患者に残便感や不快感があれば治療対象になる」という考え方が新しく付け加われたそうです。

まあクスリのことはいいとして、予防医療に従事する医師の立場としては、生活指導の部分を習得しておくことが重要だと考えています。日経メディカル2018.1号の記事を読むと、

・食物繊維の摂取量は、男性20グラム/日以上、女性18グラム/以上を推奨する。
・白米には食物繊維は多くない(一膳で0.2グラム程度)。
・排便時姿勢は前傾姿勢が理想で、しゃがんで前傾になる蹲踞型排便がよいから、洋式トイレより和式トイレの方が出やすい。
・蹲踞型排便では、恥骨と直腸が近接して直腸肛門角がより直線に近く、体重が足裏にかかり骨盤の可動性が高くなり自由度が増すと出やすくなる。

などが書かれていました。理屈以上に厄介なのは、膝が悪い高齢者が和式トイレに座るのは難しいということと、今どきの若い子たちは蹲踞自体できない人が多い中でどうやったらいいのかということ。洋式トイレに座る場合、『臀部(おしり)より膝が高くなるように足元に踏み台を置き、さらに前屈み35度の前傾姿勢になるように意識するといい』らしいです。とにかく、「踵を高く上げて前屈みになる」・・・便秘の方は覚えておいて、試してみてください。最近わたしも試してみていますが、たしかにこの姿勢になっただけで便意が強くなります。

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所見あるが治療不要(後)

(つづき)

たしかに健診機関には生データが大量に蓄積されています。皆さんは”データ”が大好きなようで、自分の”データ”が揃っているのを眺めると気持ちが落ち着くようです。でもそれは、ただの数値や絵でしかありません。例えとして妥当かどうかわかりませんが、試験対策のためにノートや試験対策本のコピーを山積みさせて満足しているようなもので、これだけでは何の意味もありません。

方や、医療機関受診を勧められても、実際にはどこを選んだらいいのかわからないから受診しないのだという。怪しい治療を受けるくらいなら、健診を続けておいた方が無難だと思っている人は少なくないみたい。”データ”に異常があろうとなかろうと、変な治療を受けることなく、健診で検査を受け続けていれば何とかなると思っている方・・・きっと、何ともなりません。

医療の現場にもAIの時代が来ています。「AIがもっと進化すれば内科医なんて必要なくなるだろう」と、ある友人がマジメに語っていました。さてどうなのでしょうか。情報さえしっかり入っていけばAIの下す診断に大きな失敗はないだろうとは思いますし、まあ健診を受けて放ったらかしているよりはマシだと思うのだけれど・・・。ふと考えるのです。AIなら、この「所見はあるが治療不要」の返信を受けた受診者を、翌年にはどう”処理”するのでしょう。どうしろ!と指示するのでしょう。「来年も健診を受けとけばいいんじゃね?」という判断を下して、「来年もココに来なさい。わたしが診てあげましょう」と云ってくれるなら、ありがたいことです。AIさんを主治医にしてやってください。でも、AIでもやっぱり「専門医に行け」を繰り返すのじゃないのかしら。

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所見あるが治療不要(前)

健診結果から医療機関に診療情報提供書を出したとき、一番困るのは「所見はあるが治療不要」という返信です。例えば、心電図で心筋肥大を疑う所見が認められるとか、B型肝炎ウイルス抗原が陽性でキャリアである可能性があるとか、あるいは糖代謝異常が認められる、白内障や正常眼圧緑内障を疑う所見であるとか。「所見はあるが治療不要」というのは、「診断名はつくが別に薬を使って治療するほどのものでもないからそっちで何とかしろ」というメッセージでしょう。

でも、そんなこと初めから分かっている事です。わたしたちだってプロの医者なのだから。別に精密検査して白黒つけて欲しいとか薬剤治療は要りませんかと問いかけているのではなくて、この方のこれからの人生を考えたときに、同じ検査をするとしても、健診や人間ドックを受け続けるよりも専門医のもとでフォローしてもらった方が良いと思うから紹介するわけです。指定された検査をして、「治療するわけでもないのにうちに来てもらってもすることがない」といわんばかりに健診施設に戻されると、もはやこの受診者さんの行き場がなくなってしまうんです。そこに所見はあるけれど、前回門前払いを食らわされているからよほど目立った悪化がない限り紹介状は出せないし、受診者本人も、「検査に行ったけど異常ないといわれた」と信じているから二度と受診をしたがらない。

「どうせ受診しても検査するだけで、何もしてくれないのだから、健診を受けておくのと何も変わらないじゃないか」と受診者さんは思っているし、受診された医療機関も似たようなことを思っているようですが、それは全然違います。毎年同じ健診機関で人間ドックを受けているとしても、個人個人の臓器の経過を誰かが追いかけてあげてるわけではないことをわかってもらいたい。蓄積データがあっても、それをつないで見守ってあげる人がいなければ野放しと一緒。何かが起きても健診機関は何もしてあげることはないのですから。 (つづく)

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食べすぎ

太るってことは、あるいは脂肪肝になるってことは、それは「食べすぎ」ということですよ。

そう云うと決まって、「いや、食べ過ぎってことはないと思う」「わたしはほとんど食べてない」と答えるのです。そして、「食べすぎではなくて運動不足が原因なのだ」と自信ありげに主張する。「運動してたのを急にやめたからだ」とか。

だから、運動不足で太るってことは、食べすぎなんだよ! どれだけ主張しても、エネルギーが余るから太るのだし脂肪肝になるのだし。動かなくなったのに食うから太る。誰がなんと云おうと、他人と比べてどうであろうと、あなたは食べすぎなのです。

その習慣を改めろとは云いません。でも、せめて「食べすぎ」だということは素直に認めなさい。

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