文化・芸術

「牛になれってことですね」

「なるほど。牛になれってことですね。」

逆流性食道炎の自分の経験から、「飲み込みかけたものを『おぇ』って戻して再度噛むとすこぶる胃の調子が良くなった。3回くらい繰り返すと完璧だ!」と助言するようにしていますが、それを聞いた受診者さんが、奇しくも二人続けてこう答えたのです。

「違います!牛の”反芻(はんすう)”は一回胃に入れてから簡単に消化したものをもう一度戻して噛み砕く作業でしょ」・・・せっかくウイットに富んだうまい云い方をしたとご満悦な受診者さんがちょっと顔を曇らせるのを確認しました。ほら、わたし、いけずだから(笑)。

まあイメージ=「牛」でも全然かまいませんが、放っておくとベルトコンベアに乗った回転寿司のように喉の奥に流れて行ってしまいそうな食材を、「おぉっと危ねぃ!」とばかりに吸い込まれる直前に引き戻してから「まちっと味わう」という作法をこっそり身に着けることをお勧めしているわけです。わたしのような典型的なバキューム食い男ですら”噛み尽し”の魅力にハマってしまったのですから。

「第一、牛になったらいかんでしょ! 食ってすぐに横になって牛になるのが逆食には一番イカンのですから」・・・最後に完全否定でとどめを刺しておきました。せっかくわたしの”極意”をこっそり伝授してやったのに「今日、先生から『牛になれ!』て云われたよ」なんて笑い話にされたらたまったもんじゃないから(ま、これでも結局、はなしの種にされるんだろうな、自分でもこうやってネタにしているんだから)です。

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